【閲覧注意】口は小さく目も見当たらない…豪の深海で珍しい「顔のない魚」を捕獲


オーストラリアの沖合にある深海で、「顔のない魚」や珍しい生物が捕獲され、話題となっている。

深さ4kmに住む生物を引き揚げる

 

その魚を捕獲したのはオーストラリア人の研究チーム。

 

彼らは5月15日にオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の調査船「Investigator」に乗り込み、タスマニア北部からクイーンズランド州中部まで広がる保護区域で、これまで2週間に渡り調査を行なったという。

 

研究チームらは深さ4kmの深海に網やカメラを沈め観測。さらにそれらを引き上げて、深海に生息する生物を捕獲した。

 

その結果、なんと「顔のない魚」を捕まえることに成功。Museums VictoriaのDi Brayさんは、豪メディアのABCの取材で次のように答えている。

 

「この魚は、これまでのところ私たちが最も興味のあるものです。この魚には鼻腔や口はあるのですが、顔がないのです。どうも表面より奥の方に目があると思うのですが、全く確認することはできません」

Marine Biodiversity Hub

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これはアシロ科の魚(学名:Typhlonus nasus)と見られ、決して新種ではないのだが、捕獲事例が少ないとされている。

 

1874年8月25日に英海軍の「HMS Challenger」に乗船していた研究者らが、オーストラリアの北東に広がる珊瑚海で最初に捕獲し、その後1951年にボルネオ島の東カリマンタン沖でも5匹が捕獲されたという。

 

またこの魚はアラビア海やインドネシア、パプアニューギニア、日本、ハワイ沖など広い範囲に分布しているそうだ。

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口は真下についており、かなり小さい。

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下は1800年代に採取された時に描かれたもの。

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こちらは今回捕獲された時の写真。

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他にも興味深い生物を捕獲

 

また今回の調査では、これ以外にも興味深いものから異様なものまで見つかったそうだ。Brayさんも取材で次のように語っている。

 

「私たちはすごいものをいくつか見てきました。ビデオの前を素早く通り過ぎるキメラのようなものも見えました。また頭に感光性のプレートを持つ魚も見ました。さらに潮の流れの中で顔とヒレで立つ、3本足の魚も」

 

また鮮やかな赤色のイチョウガニ、フサアンコウや目が退化したウミグモや、ケイ素(ガラス)でできた骨針を振り回し、小型の甲殻類を引っ掛けて捕食する肉食性の海綿動物も発見されている。

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データは気候変動の測定に使用

 

研究者らによれば、オーストラリア東側での深海調査は、今回が初めてだという。

 

またこの調査は生物の多様性について研究者らに基礎データを提供する機会となっており、そのデータは将来の気候変動を測定することに使われるそうだ。

 

上席研究員のTim O’Hara博士は次のように述べている。

 

「私たちは深海のことについて何も知りません。だから知る必要があるのです。私たちは地球の管理者です。気候変動とともに多くのことが深海で起きている可能性があるのです」(了)

 

出展元:ABC:Australian researchers drag ‘faceless fish’ up from deep-sea abyss(5/30)

出展元:Marine Biodiversity Hub:The faceless fish looks happier and heartier than it did in 1887(5/31)