アシナガバチも人間と同じ?労働の市場原理で職場を変えている状況が明らかに


人間と同じようにアシナガバチも市場原理によって自らの職場を変えているという、ユニークな研究結果が報告された。

1500匹の日々の生活を観察

 

このハチの調査を行ったのはSussex大学などの研究者たち。彼らはスペイン南部に生息するアシナガバチを対象に、43の異なった巣で暮らす1500匹の日々の生活を3カ月にわたって観察。

 

サボテンの生垣の周りにある巣が増えることで、働きバチが労働市場にどのように関与しているのかを調査した。

需要と供給により巣を移動

 

その結果、人間と同様に働くアシナガバチも労働市場の需要と供給により、巣を移動していることを発見。

 

労働の市場原理が、協力して働く彼らの行動に影響を与えていることを、科学誌「Nature Communications」に発表した。

2つの階級に分かれている

 

研究者らによれば、そもそもアシナガバチは、「ヘルパー(働きバチ)」と「ブリーダー(支配クラス)」と呼ばれる2つの階級に分かれているという。

 

そして「ヘルパー」は、権力を持つ「ブリーダー」の子供の世話をすることで、巣に住むことを許されているそうだ。

流出を防ぐため仕事を減らす場合も

 

ところが突然、近くに新しい巣が作られ、そこが働きバチの求人を募集すると、何匹かの「ヘルパー」は元の巣で働かなくなり、姿を見せなくなって、より労働条件の良い新しい巣へ移動する場合があるという。

 

しかもその時、元の巣の「ブリーダー」は労働力の流失を防ぐため、前から働いている「ヘルパー」の仕事を減らすこともあるという。

 

研究者の1人、Lena Grinsted博士は報告の中で次のように語っている。

 

「私たちが発見したことは、アシナガバチの集団と、私たち自身のビジネスの世界に興味深い共通点(パラレル)があることを示しています。悪い取引は全く無いよりもまだいい。よって競争が激化すれば、リスクも増し、提供されてきたものより低い賃金を受け入れなければならないのです」

 

「市場原理は明らかに自然における労働協定に影響を与えています。人間の市場で起きるように、取引できる相手が多ければ、より良い条件での交渉が可能になるのです」

 

 

出展元:INDEPENDENT:Nature free market economics: Worker wasps will quit nest unless bosses make better offer(1/25)

出展元:UNIVERSITY OF SUSSEX:Scientists discover even wasps make trade deals(1/24)