欧米の男性の精子が過去40年間で59%も減少:研究結果


主にヨーロッパなどに住む男性の精子が減っているという新しい研究結果が発表され、注目されている。

 

4万人の精子と研究データを精査

 

その研究を行ったのはイスラエルのヘブライ大学、Hagai Levine博士が率いる研究チーム。彼らはこれまでの数千に及ぶ研究を調査し、さらに185の研究に関してメタ分析を行ったという。

 

これらの研究には、1973年から2011年までに、50カ国以上の4万2935人の被験者が提供した精子のサンプルも含まれていたとされている。

 

またその分析には、子供の状況や年齢、射精の節制の頻度、精子の回収方法、精子のカウント方法、住んでいる場所の地勢や高度などの情報も取り入れられていたそうだ。

 

約40年間で59%も精子の数が減少

 

そしてブラジルやデンマーク、イスラエル、スペイン、アメリカなどの研究者らによる国際チームが、これらの分析を元に1mlの精液中にある精子の数や密度などを計測。

 

その結果、特に近代化された先進国、北アメリカやヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドなどに住む男性の精子の密度が、1年ごとに1.4%ずつ減少、約40年間で52.4%も低下していたことが明らかになったという。

 

また精子の数もこれらの男性の間では年に1.6%ずつ減り、合計で59.3%も減少していたことも判明したそうだ。

 

これに比べアジアやアフリカ、南アメリカなどに住む男性には、精子の密度や数の大幅な減少は見られなかったとか。

 

しかしこの調査を率いたLevine博士は「この減少の程度は心が痛むものです。私には信じられません。1mlに4000万個の精子を下回る人々の割合が、欧米の男性の間で高くなっていることは、特に懸念すべきことです。なぜならこれを下回ることは、妊娠の確率を下げることに結び付いているからです」と語っている。

 

原因は化学物質に囲まれた環境か?

 

もっともLevine博士は、精子が減少する原因については調査していない。ただ「私たちはこれまでにないほど、多くの化学物質に晒されています」とコメントしている。

 

実は殺虫剤や鉛、難燃剤などに通常使われている化学物質は、体内のある種のホルモンを減少または増加させ、ホルモンを作り出すシステムを破壊すると言われてきたという。

 

そしてこの環境ホルモンに子宮内で晒された場合、精子の生殖システムの発達や受精能力にも害を与えるそうだ。

 

Harvard大学 T.H. Chan SchoolのRuss Hauser教授も過去に「環境ホルモンにさらされることは、男性の間での精子の質の低下や、女性の間での芳しくない妊娠の結果と結びついているかもしれません」と指摘。

 

「Environmental Working Group」の上級分析官であるSonya Lunder氏も、次のように語っている

 

「精子は男性の体内で日々作られており、近年、環境内にある化学物質にさらされることは、精子に影響を与えている可能性があります。精子は男性の健康を知る上では生体指標であり、汚染の状況をよく指し示すものとして役立っているのです。ただ精子の質や数を減少させる原因のルートは1つではありません。研究では複数の要因を仮定すべきでしょう」

 

実際に化学物質や農薬以外にも、喫煙やストレス、肥満などの影響を示唆する意見がある他、精子の数は気温に左右されることから、「温暖化の影響」と言い切る専門家もいるという。(了)

 

出典元:CNN:Sperm counts of Western men plummeting, analysis finds(7/25)