「ヒトラーでさえ自国民に化学兵器を使っていない」米報道官の発言が問題に


アメリカの大統領報道官、ショーン・スパイサー氏が、シリアのアサド大統領とドイツのヒトラーを比較した発言を行い、物議をかもした。

「ヒトラーでさえ毒ガスを使わなかった」

 

スパイサー報道官は4月11日、ホワイトハウスでの定例会見で、シリア政府が化学兵器を使って80人以上殺害したことを受け、同盟関係にあるロシアを非難しようと次のように述べたという。

 

「私たちでさえ第2次世界大戦中に、化学兵器を使わなかった。ヒトラーのような卑劣な人間でさえ、化学兵器を使うまで落ちぶれてはいない」

 

さらに記者から、その発言についてどういう意味か詳細を求められた際も、

 

「サリンガスのことについて言えば、私が思うにヒトラーはアサドが行ったのと同じようなやり方で、自国民に対して毒ガスを使わなかった」と発言した。

Facebook/Sean Spicer

ユダヤ人を殺害したガス室に気づく

 

しかしヒトラーはドイツ国内や占領した地域に住む600万人のユダヤ人や、それ以外に迫害された少数民族を強制収容所へ送り、ガス室などで大量に殺害している。

 

スパイサー報道官もやがてその事実に気づいたらしく、ホロコーストについて指摘された後、「無論、ヒトラーは彼らをキャンプ(収容所)に送った」と付け加えた。

 

そして「しかし私が言いたかったのは、アサドが使ったようなやり方で、ということ。アサドらは街へ行き、罪のない…化学兵器を街の真ん中に落とし…つまりそれは運ばれた…そんなつもり(ホロコーストの矮小化)はなかったんです」とコメントしたという。

CNNのインタビューで謝罪

 

しかしスパイサー報道官の発言は、ホロコーストの恐怖を矮小化し、アサドよりもヒトラーの方がまだいい、という趣旨にも受け取られかねない。そのためこの発言に対し非難の声が殺到し、ユダヤ人の団体や民主党内からは、彼の辞任を求める声も上がったという。

 

その結果、午後のCNNのインタビューにおいて報道官は次のように釈明した。

 

「私はアサドが先週、国民に対して化学兵器やガスを使った極悪非道な行為について指摘しようとしていました。しかし正直に申し上げれば、私はホロコーストについて不適切で、無神経なコメントを述べてしまいました。よって私は謝罪します。あの発言をしたことは誤りでした」

 

スパイサー報道官については以前もその発言が問題視されたことがあり、トランプ政権に影響を与えることが懸念されているという。(了)

  

 

出展元:CNN:Sean Spicer just forgot the 1st rule of politics: Never compare anything to Hitler(4/12)

出展元:abc NEWS:Spicer apologizes for Hitler-Assad comparison: ‘It was insensitive and inappropriate’(4/11)