「時間外のメールに対応しなくてもいい」仏で隠れ労働を制限する法律が施行される

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1日の仕事が終わっても、会社に送られてくるメールにスマホなどで対応している人は多いのではないだろうか。

 

しかしフランスでは仕事の後のメールに対応しなくてもいいとする法律が作られ、今年から施行されることとなった。

 

メールなどを「無視する権利」

 

その法律とは通称「right to disconnect(つながらない権利)」と呼ばれるもの。

 

英紙INDEPENDENTによれば、その新しい法律はフランスの会社が社員に対し、スマートフォンに送られてくる時間外のメールなどを無視する権利を与えるものだという。

 

そして50人以上の従業員がいる会社は、時間外も働いてもらう必要がある場合は、その方法や条件について社員と交渉しなければならないそうだ。

 

もし交渉が合意に達しない場合には、会社は行動規約を作成し、社員がメールなどに対応しなくてもいい時間帯をセッティングするよう求められるとしている。

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「隠れ労働」で多く働いている

 

フランスでは週の労働を35時間としているが、スマートフォンの過剰使用により、多くの人が「隠れ労働」を行い、実質的に35時間以上働いているという。

 

その結果、多くの社員が不眠やストレスに悩まされ、精神的にも疲労困憊する状態となっており、スマホの過剰使用が以前から問題視されてきたそうだ。

 

そのため2015年の9月に労働大臣のMyriam El Khomri氏が、これらの健康への影響についての報告書を提出するよう要請。さらに社員のプライベートな生活を尊重したいとして今回の法律が導入されることになる。

 

大きな期待が寄せられる

 

フランスの労働環境に詳しい専門家のXavier Zunigo氏は、INDEPENDENTの取材に対し次のようにコメントしている。

「社員を保護する手段としてメールなどを遮断する権利を会社側が認めることには、現実的な期待が寄せられています。それと同時に、労働者の方もデジタルデバイスが提供する働き方の柔軟性や自主性を失いたくはないと思っているのです」

 

いつでもどこでも柔軟に使える便利さが、知らないうちに労働時間の増加につながっているという現実。

 

これを改善するために何らかの手段を講じることは重要だが、この法律の有効性がどこまであるのか、その点が問題なのかもしれない。

 

出展元:INDEPENDENT:French workers win ‘right to disconnect’ from work emails at home(1/1)

出展元:BBC:French workers get ‘right to disconnect’ from emails out of hours(12/31)