内戦間際か?ベネズエラで反政府デモに20万人が参加、各地で激しい衝突


南米のベネズエラで反政府デモが行われてから50日目を迎え、街には20万人近くの人々が集まった。

早期の大統領選挙を求めデモ

 

ベネズエラでは極端なインフレによって食料や生活物資が不足し、多くの住民が生活に困窮していたため、Maduro大統領への不満が爆発。

 

早期に大統領選挙を行うよう市民が要求し、7週間前から各地で抗議デモが繰り広げられていた。

 

そして5月21日、ついにデモも50日を迎え、街には20万人近くが集結。首都カラカスの東地区では少なくとも16万人がデモに参加し、彼らは火炎瓶や石を投げつけ、警官隊が催涙弾で応じたという。

 

またタチラ州のSan Cristobalという街の西部でも4万人が集まり、Maduro大統領は暴動を鎮圧するために2700人の兵士を配置したそうだ。

 

一方、カラカスの町の反対側では、約2000人の政府支持派の労働者が歌ったり踊ったりしながらデモ行進し、憲法改正のための制憲議会を作るという大統領の計画への支持を示したとされている。

インフレ率720%、食料や薬も不足

 

IMFの試算では、今年に入ってベネズエラのインフレ率は720%にも達しているという。

 

街では食べ物や薬の供給が滞り、石鹸やトイレットペーパーなどの日用品まで不足し、餓死や病死が常態化しており、人々の生活は大混乱に陥っているそうだ。

 

このような経済的な困窮の中で、ベネズエラ最高裁が3月29日、野党が多数を占める議会の立法権を剥奪し、今後は最高裁が行使することを決定。

 

最高裁は国会の会期末にMaduro大統領側と結託してこの決定を下したが、野党が政権を握るのを阻止する不当な行為として、活動家や国外のリーダー、さらにMaduro大統領の支持者からも激しい非難が寄せられ、デモが起きたとされている。

 

その後、議会の立法権はく奪は撤回されたが、デモ参加者は大統領選挙の前倒しを要求。しかし政府側は多くの警官や軍を投入し、デモを鎮圧し続けてきたという。

 

その結果、現在までに少なくとも47人が死亡。首都カラカスだけでも40人以上がケガをし、中には警察の車両にひかれた女性もいるとされている。

 

またこれまでに2200人のデモ参加者が警察に拘留され、161人前後が軍事裁判で有罪判決を受けたそうだ。

 

「彼は独裁者だ」米議員も批判

 

最近の世論調査によれば、国民の70%近くがMaduro大統領の退陣を求めているが、大統領は政権の座から下りる気配を見せず、さらに権力を強化するために軍の支援に頼っているという。

 

そして議会に対し憲法の一部を改正する動きを見せており、抗議する者に対し平和的な道を示し対話への用意があるとしながらも、法律で決められた通り選挙は来年に行うと主張している。

 

これに対しアメリカのトランプ大統領は、Maduro大統領を批判。さらに共和党のMarcio Rubio上院議員も今週の日曜、取材に対し次のように語っている。

 

「Maduroは大統領ではありません。彼は今では独裁者です。彼らは憲法を無効にし、国民議会にさえも命令しようとしています。私が言えることは、Chavez前大統領が作った憲法を守れということ、そして選挙を行え、ということです」

 

「内戦勃発の淵に立たされている」

 

Kent大学のNatalia Sobrevilla-Perea博士氏は、取材に対し次のように語っている。

 

「ベネズエラは内戦勃発の淵に立たされています。過去2週間で状況は急速に悪化しています。また次の週も、新たな解決策が見つからない限り、さらに悪化していくでしょう」

 

「Maduro大統領は食料の分配や経済をコントロールしている強力な軍隊によってサポートされています。軍は全ての物資を手中に置いています。そこにはMaduro大統領が追い出された場合の影響を危惧する恐怖があるのです。軍はまだ利益を享受しています。もし体制側についていれば、食料の不足に直面することもなく、問題も抱えないのです」

 

「また大統領側は、エクアドルやキューバ、ボリビアなどからの支援を受けています。しかしもっとも望ましい可能性は交渉による行動です。その対話の糸口を見つけるためにも、キューバやコロンビアからの助けが必要とされています」(了)

 

出展元:The Telegraph:Venezuela protests: 200,000 march against President Maduro as riots and looting spread across country(5/21)