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クジラの仲間ではわずか9例、頭が2つある結合双生児のイルカを捕獲

クジラの仲間ではわずか9例、頭が2つある結合双生児のイルカを捕獲
Facebook/Coast News Netherlands & Europe

オランダの漁師が偶然、頭が2つあるイルカの赤ちゃんを捕獲したとして、注目されている。

クジラ目での結合双生児は9例しかない

 

科学メディアのNewScientistによれば、それはオスのネズミイルカ(Phocoena phocoenaとされ、頭が完全に母体の中で成長した状態で生まれており、非常に珍しいケースだという。

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実際にクジラやイルカなどのクジラ目の中で、結合双生児が発見されたのはこれまで9例しかないそうだ。

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オランダのロッテルダムにあるErasmus MC大学のErwin Kompanje氏は、取材に対し次のように語っている。

 

「クジラ目の生体は、海の中で生活するのに適応しているため、地上で暮らす哺乳類と著しく異なっており、多くが分かっていません。これまで知られていた9例に今回のケースを加えることで、この状況についてより多くの知識が得られるでしょう」

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生まれてすぐに死んでいた可能性

 

もっともこの赤ちゃんイルカは捕獲された時には、すでに死んでいたとみられ、このような標本を保持しておくのは違法と考えられたため、その後漁師らによって海へ戻されたという。

 

Kompanje氏もすでに死んでいたとする根拠について次のように語っている。

 

「この双子は生まれてすぐに死んでいたことが分かっています。なぜなら新しく生まれた赤ん坊が泳ぐのに必要とされる尾びれが堅くなっていなかったのです」

 

また背びれも海水に入った途端に垂直になるはずが、平らになっており、生まれてまもなく抜け落ちるはずの上唇のある毛もそのままになっていたそうだ。

 

さらにKompanje氏は海に返してしまったことは残念としながらも、残された写真が研究のために活用でき、そこから多くのことが学べると語っている。

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クジラ目では正常な双子も珍しい

 

このような結合双生児が生まれるには、胚盤が融合する場合と、胎内での成長段階において接合子が部分的に分かれる場合など、2つのケースが考えられ、意外と多くの結合双生児が気づかれないまま存在している可能性もあるという。

 

Kompanje氏は取材に対し、次のように語っている。

 

「クジラ目においては正常な双子ですら非常に稀なのです。メスの胎内に一匹以上の子供を収めておく十分な空間がないのです。ただ結合双生児は、現時点で知られている10例よりも、もっと一般的に起きているのでしょう。彼らが海で生まれ決して見つからないために、私たちが気づいていないだけなのでしょう」(了)

 

出展元:NewScientist:Two-headed porpoise caught in fishing net is first ever found(6/14)

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