米のサンディエゴでA型肝炎ウィルスが蔓延、街が非常事態宣言を発令


アメリカのサンディエゴで、A型肝炎に感染する人が増えているとして、当局が非常事態を宣言した。

 

昨年から15人が死亡、400人が入院

 

このA型肝炎への感染は昨年の11月から確認されているようだが、現在までに15人が死亡、約400人以上が入院するなどして治療を受けたという。

 

特に感染が拡大しているのは、ホームレスの人々の間とされている。A型肝炎ウィルスは人間の排泄物の中で生き続け、トイレを利用した後に適切に手を洗わずにいると、感染が広がっていく可能性があるそうだ。

 

そのためサンディエゴ郡では先週の金曜日(9月1日)に、非常事態を宣言。これにより郡は州からの支援を受けることができ、新しい衛生管理の方法に法的な保護が与えられるとか。

 

衛生面を向上させるプランを導入

 

その衛生管理の方法には、ホームレスの人々が多く住む地域に、移動式の手洗いできる施設を設置することも含まれているという。

 

また先週の木曜日にサンディエゴの役所が発表した文書に含まれる衛生管理プランによれば、当局はウィルスや汚染物質などを取り除けるよう、漂白剤入りの水を使い、高圧で洗い流す装置の導入も検討しているそうだ。

 

さらに今後数週間に渡って、この地域にある他の市も、手を洗える施設を整えるなど街での衛生面向上へ向けた取り組みを目にすることになるとしている。

 

高齢者は重症化する場合も

 

東京都感染症情報センターによれば、A型肝炎とはA型肝炎ウィルスによる感染症で、世界中でみられるが、特に上下水道の整備されていない衛生状態の悪い地域では感染するリスクが高くなるという。

 

感染経路は汚染された食物などを摂取することによっておこる感染、ウィルスが付着した手で口に触れること(経口感染)による感染があるそうだ。また、性的接触による感染(糞口感染)もあると言われている。

 

潜伏期間は2~7週間程度。発熱、全身倦怠感などの症状に続いて、食欲不振・嘔吐などの消化器症状、さらに数日後には肝機能低下による黄疸を呈すとか。

 

また乳幼児の感染では症状が軽いことが多いが、年齢が上がると症状が重くなる傾向があり、高齢者では重症化(劇症肝炎・死亡)することがあるという。ただ一過性の急性肝炎が主症状であり、治癒後には強い免疫が残されるそうだ。

 

ワクチンを供給しても感染率は下がらず

 

現在のところ、サンディエゴ郡ではワクチンと人々に知識を伝えることを主な予防戦略としており、数千人分のワクチンも供給されているが、A型肝炎の感染率は下がらず、死者の報告がこの数週間で急激に増えているとか。

 

この地域の公衆衛生担当のWilma Wooten博士は取材に対し次のように語っている。

 

「今回のことはこれまで前例がありません。もし将来、このような事態になれば、私たちはしっかりとしたシナリオを描けることでしょう。しかし今回のような事態が起きたのは、私たちが経験する初めてのことなのです」

 

この地域へ行く予定のある方は御注意いただきたい。(了)

 

 

出典元:NYPost:San Diego declares emergency over massive hepatitis outbreak(9/3)

出展元:東京都感染症情報センター:A型肝炎