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イラクのクルド人が独立の是非を問う住民投票を実施、有権者の78%が投票に参加

イラクのクルド人が独立の是非を問う住民投票を実施、有権者の78%が投票に参加
Twitter/shvan harki

イラクに住むクルド人が独立の是非を問う住民投票を行い、多くの人々が投票所を訪れたという。

 

多くの有権者が参加、投票率は78%

 

9月25日、イラクの北部クルド自治政府は住民投票を実施し、現地時間の夕方6時には投票が締め切られ、その後すぐに開票作業が行われたという。

 

今回の投票は、クルド人がイラクからの独立の是非を問うものとされ、投票率は78%にも及んだとされている。

 

有権者らは投票の不正を防ぐため、数日間は消えない特別な紫色のインクを指に付け、投票用紙を投函したそうだ。そして多くの人が、独立に関する投票に参加できたことを心から喜んでいたという。

 

投票結果は早ければ26日となるが、独立賛成が多数になるのは確実とみられている。

WIKIMEDIA COMMONS

迫害を乗り越え、自らの国を望んでいた

 

そもそもクルド人はトルコやイラク、シリア、イランなどにまたがって暮らしており、「独立した国家を持たない最大の民族」とも言われてきたという。

 

そしてフセイン大統領が統治していた時には、当時敵国だったイランに加担した疑いでイラク政権から迫害を受け、化学兵器で多くの住民が殺害されるという痛ましい過去を持つ。

 

またISISがイラクを支配するようになってからは、クルド人らは自らのエリアを守るため、銃を手に取り、最前線で戦い続けてきた。

 

そんな彼らは長い間、自らの国を持ちたいと願っていたが、周囲の国々の政治的な思惑もあり、これまで独立を果たせずに来たそうだ。(第2次世界大戦後には一時的に成立している)

 

周辺国も分離独立の気運に懸念

 

実は今回の独立を問う住民投票に関しても、イラクの中央政府やトルコ、イラン、そしてアメリカなど主要国からも実施を反対されてきたという。

 

国連もクルド人の独立に対して、地域の不安定要因になりかねないとして、住民投票に懸念を示してきたとされている。

 

しかしクルド自治政府のマスード・バルザニ議長は、今回の住民投票によって独立への支持が確認されたとしても、すぐにイラクから分離するのではなく、2年ほどかけてイラクの中央政府と交渉を行う意向を示したという。

 

ただし今回の住民投票で独立賛成が多数をしめれば、トルコ南部やシリアに住むクルド人たちの間でも分離独立の機運が高まるとして、各国は懸念を示し、制裁措置を行う動きも見せているそうだ。(了)

 

 

出典元:ALJAZEERA:Iraqi Kurds count referendum votes(9/26)他多数

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