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常に笑顔を浮かべ「ヨーダ」と呼ばれてきたコウモリ、新種だと判明し新たな名前に

常に笑顔を浮かべ「ヨーダ」と呼ばれてきたコウモリ、新種だと判明し新たな名前に
University of York

映画『スターウォーズ』に登場するキャラクターの名前がつけられていたコウモリが、新種と判明し新たな名が付けられた。

 

18の博物館にある3000の標本を調査

 

そのコウモリとは果物を好んで食べる「フルーツ・コウモリ」の仲間で、オセアニアのパプア・ニューギニアに生息しているという。

 

しかも常に笑顔を浮かべたような顔をし、『スターウォーズ』のジェダイマスターに似ていることから、今までは「ヨーダ・コウモリ」と呼ばれていたとか。

 

しかしイギリス、ヨーク大学の研究者が世界の18の博物館にある約3000種の標本と文献を徹底的に調査した結果、新種だと判明。

 

新たな名前が付けられ、「ヨーダ・コウモリ」から「Hamamas(Happy) tube-nosed fruit bat」と呼ばれることになったという。

 

あごが幅広く、丸みを帯びている

 

ヨーク大学生物学科の名誉研究員であるNancy Irwin博士は、リリースの中で次のように述べている。

 

「この種は他のチューブノーズ・バットと区別するのが非常に難しいのです。コウモリの種はしばしば、お互い似ているように見えるのです。しかし行動や食料、これまでの歴史などにおいて大きな違いがあるのです」

 

「今回のコウモリと他の種とを隔てる形態的な特徴は、他のよりも幅が広く、より丸みを帯びたあごに関係しています。それがいつも笑ったような見かけを与えているのです」

 

「ただパプア・ニューギニアの田舎で暮らす人々の多くは、『スターウォーズ』を見たことがありませんので、私は地元で幸せという意味を表す『Hamamas』という言葉を使い、『Hamamas tube-nosed fruit bat』とする方がピッタリだと思いました」

 

しかしこれはまだ正式名ではないという。このコウモリの学名は「Nyctimene wrightae sp. nov.」で、これはパプア・ニューギニアで20年間も自然保護プログラムの構築に捧げてきたDeb Wright博士にちなんだものだとされている。

 

1769年の記録に登場する種の1つ

 

「Nyctimene」は1769年の記録に描かれた最初のコウモリの種の1つとされており、その後1860年の後半に、イギリス人の博物学者でもう1つの進化論を提唱した、Alfred Russel Wallace氏によって、さらに2つの種が集められたそうだ。

 

このコウモリはチューブ状の鼻をし、明るい色で、背中に濃い縞模様を浮かべており、約250年間も注目を集めてきたが、現在もなお、研究者はこのグループの中から隠れた種を見つけようとしているという。

 

Irwin博士はリリースの中で次のように述べている。

 

「このサイクロティス(丸みを帯びた)コウモリのグループは特定することが難しいことから、イラストもなかったのです。そのためパプア・ニューギニアではこのコウモリを描いた切手を作ることも、名前を割り当てることも難しかったのです。しかし今では写真やイラスト、他の種との間で手がかりとなる特徴もあるので、このグループの中の3つの種を区別することを可能にさせているのです」(了)

 

 

出典元:University of York:Yoda bat gets happy: New species officially recognized(8/10)

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