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サイバー攻撃により、チェルノブイリ原発の監視システムが作動せず

サイバー攻撃により、チェルノブイリ原発の監視システムが作動せず
flickr_Alex Kühni

チェルノブイリ原子力発電所の放射能モニタリング・システムが、サイバー攻撃と思われる影響で、機能していないことが明らかにされた。

周辺を監視するシステムが機能停止

 

ウクライナ当局によれば、そのシステムは1986年に事故が起きて以来、いまだに危険な状況にある発電所の周囲を監視するためのものだという。

 

しかし6月27日以来、サイバー攻撃とみられる影響により、正常に作動しなくなっているそうだ。

 

また原発事故についての概要や被害エリアなどの詳細な情報を提供していた発電所のウェブサイトも、この影響でダウンしたとされている。

原子力発電所の本体のシステムは正常

 

しかし原子力発電所本体のシステムはいつも通り正常に機能しており、いくつかのエリアにある自動化されたモニタリング・システムも作動しているという。

 

ただし発電所周辺の工業地区にあるモニタリング・システムは正常に戻っておらず、現在は数十年前の小型計器で計測するなど、旧式のテクノロジーを使い手動で操作を行っているそうだ。

 

ウクライナ当局は声明において、原発のモニタリング・システムにウィンドウズを使用しており、それがハッカーらの攻撃を受け、このような結果になった可能性があると伝えている。

flickr_Ben Adlard

ヨーロッパやアメリカの企業も影響

 

今回のサイバー攻撃はウクライナ全土に被害を及ぼしており、首都キエフにある中央銀行や主要空港など、最も重要な国や民間のインフラなどもハッキングされたという。

 

しかもこの攻撃は今ではウクライナだけにとどまらず、ヨーロッパやアメリカにある企業にまで拡大を続けており、アメリカ製薬会社メルク、ロシア国営石油ロスネフチ、イギリス広告会社WPP、フランスの建材会社サンゴバンを含む多国籍企業なども影響を受けているそうだ。

 

今回の攻撃に使用されたウイルスは、5月の大規模サイバー攻撃で使われた身代金型のランサムウエア「WannaCry」に似ているという意見がある。

 

その一方、同じランサムウエア「Petya」の変種である「Petrwrap」とする意見や、全く新しいものだと主張する専門家もおり、現段階ではまだ見解が分かれているという。(了)

 

出展元:INDEPENDENT:‘Petya’ cyber attack: Chernobyl’s radiation monitoring system hit by worldwide hack(6/27)

出展元:AFP:欧米で再び大規模サイバー攻撃、企業などに被害 チェルノブイリも(6/28)

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