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米主導の空爆で一般市民の犠牲者が200人超か、国連が懸念を表明する

米主導の空爆で一般市民の犠牲者が200人超か、国連が懸念を表明する
flickr_Karl-Ludwig Poggemann

イラクの都市、モスル西部をISISから奪還する作戦が続く中で、アメリカ主導の空爆により民間人に多くの犠牲者が出ているとして国連が懸念を表明した。

1回の空爆で200人以上が死亡か

 

BBCによれば先週、イラクに滞在する国連上級職員は、アメリカ軍が率いる有志連合による空爆で少なくとも200人の市民が死亡した報告を受け、「失われた命の、恐ろしいまでの多さに呆然とさせられた」と声明を発表したという。

 

クルド系のウェブサイト「Rudaw」では、3月23日に「200人が死亡し、多くは市民で中にはISISの戦闘員が含まれている可能性がある」とする特派員の報告を掲載。

 

さらにその報告では西部にあるJadideh近郊で1回以上の空爆があり、それにより建物にいた130人が死亡、もう1回の空爆では100人が死亡したと伝えているそうだ。

空爆の時間や犠牲者について調査中

 

ただしその空爆が行われた正確な時間や、犠牲者の数などは公式に確認されていない。またこれは空爆ではなく、IS戦闘員による自動車爆弾によるものだとする住民の目撃情報もあるという。

 

現在、有志連合側は、3月17日から23日に行われた空爆による死亡者数などの調査を行っていると発表している。

 

アメリカ軍が率いる部隊の広報官、Joseph Scrocca大佐は声明で「有志連合は一般市民の犠牲者に関する、正式な信頼性の高い調査をオープンにしています。ただしこのプロセス、特に問題となっている疑惑の空爆の日付などについて、明らかになるのは時間がかかります」と語った。

ISISが市民を人間の盾にしている

 

国連はイラク軍による奪還作戦が行われてから、モスル旧市街にはいまだに40万人の市民が囚われていると見ているそうだ。

 

またすでに先月から18万人の市民がモスル西部から逃れており、彼らによればISISの武装勢力は一般市民を「人間の盾」にしており、人々をビルや建物の中に隠し、強制的に若者を戦わせているという。

 

アメリカ当局は、モスルにはまだ約2000人のIS戦闘員が残っているという見方を示している。(了)

 

 

出展元:BBC:UN fears 200 died in coalition air strikes on Mosul(3/25)

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