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温暖化で街が水に浸る?ニューヨークの「死」を表した動画が公開される

温暖化で街が水に浸る?ニューヨークの「死」を表した動画が公開される
YouTube/Curky Curky

このまま地球温暖化が進んだ場合、ニューヨークの街がどのようになるのかをシミュレートした動画が公開された。

ニューヨークの街が水浸しになる

 

この動画のタイトルは「Two °C New-York City」。制作会社の「Menilmonde」は、温暖化で平均気温が2℃上昇した場合の研究予測に基づいて、この動画を作り上げたそうだ。

 

そこではニューヨーク全体が海水に浸り、使われなくなった多くのビルが残され、「死の街」と化した姿が描かれている。

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2℃上昇で抑えても海面は5mも高まる?

 

各国の専門家が集まった国連のIPCC (気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書(2014年発表)では、これからの100年間で、どの程度平均気温が上昇するか4つのシナリオを提示して予測を示している。

WWF
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一番、気温が低く抑えられるシナリオは産業革命前に比べて2℃程度の上昇が見込まれ、一番気温が高くなるシナリオは、産業革命前に比べると4℃前後も上昇してしまうというもの。

 

そして今までの石油や石炭に依存した経済活動が続けば、100年後には4℃上昇するという。

 

また4℃上昇すれば、多くの生物が絶滅し、世界の食料生産が危険にさらされるリスクが生じ、4℃上昇よりやや下回ったとしても、大規模に氷床が消失し、海水面が上昇する可能性があるとしている。

WWF

A:暑熱や洪水など異常気象による被害が増加

B:サンゴ礁や北極の海氷などのシステムに高いリスク、
  マラリアなど熱帯の感染症の拡大

C:作物の生産高が地域的に減少する

D:利用可能な水が減少する

E:広い範囲で生物多様性の損失が起きる

F:大規模に氷床が消失し海面水位が上昇

G:多くの種の絶滅リスク、世界の食糧生産が危険にさらされるリスク

 

そのため2015年12月にパリで行われた「第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)」では、196カ国により産業革命前からの気温の上昇幅を「2℃未満」(できれば1.5℃未満)に抑えるという目標値が定められた。

 

しかしコロンビア大学の James Hansen教授は、2℃の上昇で抑えられたとしても未だに危険で、近年の氷が溶けていくモデルを統合して考えれば、2080年までには5mから9mほど海面が上昇すると主張しているとか。

 

恐らく今回の動画は、この最悪なケースを考えて作られたとみられる。

海面上昇は温暖化の影響の1つに過ぎず

 

またMenilmondeによれば、海面の上昇は温暖化による影響の1つに過ぎず、空気や水質の汚染、豊かな土壌の喪失や資源の枯渇による貧困など多くの問題が発生する可能性があるという。

 

さらに海面の上昇は激しい暴風雨の発生を増加させ、洪水などの災害を簡単に引き起こすことにつながるそうだ。(了)

出展元:Menilmonde:Two °C – New-York(6/5)

出展元:WWF:地球温暖化についてのIPCCの予想シナリオ

参考文献:YahooNews:いまさら温暖化論争? 温暖化はウソだと思っている方へ(2015/12/2)

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