G20で緊迫したデモの現場にピザ配達のバイクが登場、警察の規制ラインを素通り

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G20に反対するデモの現場に、ピザの宅配サービスを行うバイクが突如現れ、素通りしていくハプニングが起きた。

 

ピザ配達員が警察の規制ラインを素通り

 

7月7日にドイツのハンブルクで開催されたG20サミットでは、アメリカや日本、イギリスなど20カ国が集まり、気候変動や貿易などの主要な議題が話し合われた。

 

一方、会場の外では会議の前から、反グローバリズムを掲げた抗議活動が行われ、デモ参加者と警官隊とが激しく衝突していたという。

 

デモ参加者らは火炎瓶を投げ投石を行い、それに対し警官隊はペッパースプレーで応戦。また参加者に放水銃を向けるなど、厳重な取り締まりを行なったという。

 

その結果、開催期間中に警官隊には500人弱の負傷者が出て、デモ参加者も186人が逮捕され、数は不明だが多くの人がケガを負うなど、双方に被害が出たとされている。

YouTube/Franzinatra

しかしそんな緊迫した中、突然デモ隊側からピザの配達スタッフがバイクに乗って登場。

YouTube/Franzinatra

客にピザを急いで届けるために、デモ参加者の間を通り、やがて警察が設定していた規制ラインに接近すると、そのまま素通りしていった。

YouTube/Franzinatra

YouTube/Franzinatra

このあまりにも大胆な行動は次第に拡散し、多くのメディアでも取り上げられることに。

 

抗議するデモ参加者の背景はさまざま

 

しかしなぜG20に対して、ここまで激しい抗議活動が行われたのか。

 

今回、デモ参加者は会議に出席する各国首脳らに「地獄へようこそ」と呼びかけ、「反グローバリズム」を唱え続けていた。

 

そもそも「反グローバリズム」とは、グローバル資本主義に反対する社会運動を指すが、その運動に参加している人々の背景はさまざまだ。

 

例えば、発展途上国から安い製品や低賃金で働く移民が入ることで自分たちの雇用が奪われると主張する労働組合や、グローバル化が自然環境を悪化させると主張するグループ。

 

また途上国の人々が安い賃金で搾取され続けており、自国内でも貧富の格差を拡大させていると主張する人々や、そもそも資本主義自体に反対する共産主義者などがいるという。

 

ただ根底にあるのは、障壁を低くしたグローバルな自由貿易や、移動の自由によって移民が増えることにより、自国の経済が大きく左右されてしまうことへの不満とされている。

 

そして先進国による途上国への搾取を問題にする人々は、G20などの国際会議に対して「限られた国々によって、世界的な経済や政治が決められていくことへの不満」を抱いているそうだ。

YouTube/Franzinatra

グローバル化で恩恵を受けるのは大企業だけ?

 

しかし「反グローバリズム」を支持しているのは、デモに参加した人々だけではない。ヨーロッパやアメリカでも、自由貿易に象徴される「経済のグローバル化」が、自分たちの生活や雇用を脅かしていると感じる中間層が増えているという。

 

そして彼らの多くは経済成長を維持するためにグローバル化を進めても、その恩恵を受けているのは一部の大企業やエリート層だけということに気付いているそうだ。

 

例えばグローバル化で工場が人件費の安い国外へ移動すると、自国で雇用されていた人々は失業を余儀なくされるが、企業自体は利益を上げることができ、国自体のGDPも増えて経済成長していることになる。しかし実際には国内で失業が増え、貧富の格差が広がっていく。

 

このようなカラクリに気づいた人々が増え、しだいに自国の経済や環境を第一に考える風潮が表面化。その結果、2016年にイギリスで行われたEUからの離脱を巡る国民投票でも、自国を最優先に考える「離脱派」が多数を占めた。

 

さらにアメリカでもTPPに反対し、保護主義やアメリカ第一主義を掲げたトランプ大統領が、「反グローバリズム」を唱える有権者に支持され当選する。

 

ただトランプ大統領は有権者のグローバリズムへの反感を「移民問題」や「愛国心」に結び付けて支持を集めており、「反グローバリズム」が結果的に、排他的な「人種差別主義」や極右的な「愛国主義」に強く結びついたとされている。

 

そして今回行われたデモ参加者の中には、同じ「反グローバリズム」でもトランプ大統領の政策に反対している者もおり、混同されたくないと考えている団体もいるそうだ。

 

また専門家の中には、グローバル化には弊害があるものの、やはり世界経済に大きな恩恵をもたらしてきたという意見もある。

 

これまでも国際会議などで抗議活動

 

これらの「反グローバリズム」に対する抗議活動は30年も前から顕在化していたとみられ、G20だけでなくG7サミット(主要国首脳会議)やAPEC、WTO(世界貿易機関)などの国際会議でも行われてきたという。

 

またデモに参加しているグループは人権問題や環境問題、平和運動などで活動してきた団体などで、その多くは適法なデモ行動をとっているが、一部の過激な活動家らは投石や火炎瓶を投げるなどの違法行為に走る場合があるそうだ。

 

今回のG20においてもデモ主催者は、警察との最初の衝突が起きた時点で行進を中止したが、多くの人々がその場に残ってバリケードを築き、車への放火や店舗の破壊などに及んだと言われている。(了)

 

※動画の前半はデモの様子、ピザの配達員が現れるのは1分3秒前後。

 

出展元:INDEPENDENT:Man delivers pizza in the middle of G20 riots(7/8)

出展元:Wikipedia:反グローバリゼーション

出展元:AFP:G20開催中に警官500人弱負傷 ドイツ(7/10)

 

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