イスラエル軍の攻撃が激化、ガザ地区で115人のパレスチナ人が死亡

イスラエルの建国により、多くのパレスチナ人が自らの土地を追われた「ナクバの日」。77回目を迎えた5月15日にも、イスラエル軍はガザ地区へ激しい攻撃を行った。
ガザ南部や北部の病院も標的に
ガザ地区の保健当局によれば、イスラエル軍はガザ地区南部のハンユニスを攻撃し、14日の夜から15日の早朝にかけて、少なくとも61人のパレスチナ人が殺害されたという。
またガザ地区北部のジャバリアでも、イスラエル軍によるal-Tawbah診療所への攻撃で少なくとも15人が死亡、数人が負傷したそうだ。
さらにイスラエル軍は、ガザ地区北部と南部の病院も攻撃。北部のジャバリアにあるアル・アウダ病院、南部のハンユニスにあるインドネシア病院、ヨーロッパ病院も攻撃を受けたという。
これらの一連の攻撃により5月15日には、少なくとも115人のパレスチナ人が殺害され、犠牲者の多くは女性や子供だったと言われている。
Nonstop bombing in Jabalia, Gaza. pic.twitter.com/IZGpj3fbiT
— TIMES OF GAZA (@Timesofgaza) May 15, 2025
Israel bombed Tal Al-Zaatar, northeast of Beit Lahia in northern Gaza. pic.twitter.com/TFIb2oJHBU
— TIMES OF GAZA (@Timesofgaza) May 15, 2025
「フリーゾーンになるのを見たい」
現在、カタールのドーハでは、トランプ大統領の中東特使と、エジプトやカタールとの間で、間接的な停戦交渉が行われている。
そしてトランプ氏は、アラブ首長国連邦へ向かう前、カタールで行われたビジネス懇談会で、ガザ地区の航空写真には建物が映っていないと指摘。「建物がない。人々は倒壊した建物の瓦礫の下で暮らしている。これは到底受け入れられない」と述べたという。
また「私は、ガザ地区がフリーゾーン(自由地帯)になるのを見たいと考えている。もし必要であれば、アメリカがガザ地区を所有し、フリーゾーンにすることができれば、誇りに思うだろう」とも語ったそうだ。
5月末に「ガザ人道財団」が活動予定
アメリカ政府が支援する「ガザ人道財団」は、5月末までにガザ地区での人道支援活動を開始する予定だが、財団が設立されるまでは、国連などによる物資の供給再開を認めるようイスラエルに要請している。
しかし国連側は「この配給計画は、公平性、中立性、独立性といった我々の基本原則に反するものであり、我々はこれに参加しない」と述べたという。
一方、イスラエルの国連大使は記者団に対し、「我々は支援を提供する立場にはありません。(ガザ人道財団の)センター内にも立ち入ることはありません。運営はアメリカが主導する財団自身によって行われます」と主張したそうだ。
ガザ地区では3月2日以降、人道支援物資の搬入が行われておらず、世界の飢餓状態を監視している団体は、50万人が飢餓に直面していると警告している。
Gaza has no food. pic.twitter.com/aLduiFBKtx
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「フーシ派」がイスラエルにミサイルを発射
イエメンの「フーシ派」は15日、再びイスラエルのベングリオン空港を狙い、極超音速弾道ミサイルを発射したと声明を発表。「目的を達成し、空港の活動が1時間近く停止した」と主張した。
その上で「イスラエルの侵略を終わらせ、ガザ地区の封鎖を解除することを目指し、軍事行動の強化と拡大に取り組む」と述べたという。
一方、イスラエル側は「フーシ派」のミサイルを迎撃したと主張している。(了)
出典元:Aljazeera:Live: Israel kills at least 115 in Gaza as Palestinians commemorate Nakba(5/15)