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約3000年前のペルーの遺跡から、多彩な壁画を発掘

約3000年前のペルーの遺跡から、多彩な壁画を発掘
X_Mike Ricksecker

南米ペルーにある古代の遺跡から、さまざまな色で塗られた壁画が見つかり、研究者たちを驚かせた。

 

ペルー北西部の沿岸部にある遺跡

 

この発掘を行ったのは、ペルー・ポンティフィカル・カトリック大学の考古学者たちだ。

 

同大学のセシ​​リア・マウリシオ氏と彼女の研究チームは今年の7月初旬、ペルー北西部の海岸近くにあるワカ・ヨランダ(Huaca Yolanda)遺跡の発掘調査を開始したという。

 

そして発掘調査の最初の週に、彼らは紀元前2000年から1000年に遡る壁画を発見した。

 

その壁画は長さ約6m、高さ約2.9mに及び、魚や星、神話上の生き物が青や黄、赤、黒の塗料により描かれていたという。

 

翼を広げた大きな鳥やシャーマンも描かれる

 

紀元前2000年から1000年の時期は、ペルーでは形成期と呼ばれ、この地域に最初の複雑な社会が誕生した時期と考えられている。

 

マウリシオ氏によると、壁画の南面には、翼を広げた大きな鳥が描かれており、頭にはダイヤモンドのモチーフが描かれていたという。

 

また壁画の北面には、植物や星、そして当時の権力者であった「シャーマン」を表していると思われる人物像が描かれていたそうだ。

 

ワカ・ヨランダ遺跡は、ペルー中部にあるチャビン・デ・ワンタルの遺跡と同時代のものと考えられ、チャビン・デ・ワンタル遺跡は、インカ帝国が栄える前のチャビン文化の代表的な遺跡とされている。

 

チャビン文化は高地に位置し、高度な農業技術、冶金、織物生産を発達させ、その遺跡にはジャングルに生息するジャガーや爬虫類を描いた壁画が残されたという。

 

一方、ワカ・ヨランダ遺跡は沿岸部に位置していたこともあり、魚や漁網の描写など、沿岸地域特有の芸術的伝統を反映していた。

 

ワカ・ヨランダ遺跡は、公式に保護された考古学的遺跡ではない。そのためペルー・ポンティフィカル・カトリック大学は声明の中で、ペルー文化省や地方自治体、そして遺産保護団体に対し、この遺跡を保護し、形成期の洗練された過去を垣間見る貴重な窓を保存するよう要請した。(了)

 

出典元:Livescience:‘A truly unprecedented discovery’: 3,000-year-old multicolored mural with fish, stars and gods discovered in Peru(8/28)

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