米、ウクライナに中距離ロケットシステムを送ると発表、英はMLRSを供与予定
アメリカ国防総省は6月1日、ウクライナに高性能中距離ロケットシステムを供与すると明らかにした。
射程80kmの「HIMARS」を供与予定
国防総省の関係者によれば、ウクライナに供与されるのは、「High Mobility Artillery Rocket System(HIMARS)」だという。
これはトラックに搭載され、6発のロケット弾を積んだコンテナを運ぶことができる、自走式多連装ロケットシステムだ。射程距離は80kmとされ、これまでのM777榴弾砲の射程25キロをはるかに上回る。
「HIMARS」は中距離ロケットを発射することができるが、射程300kmの戦術ミサイルシステムも発射可能とされている。
しかしアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は6月1日、ウクライナはアメリカから提供されたロケットシステムをロシア領内の目標に対して使用しないと「確約」していると述べた。
この「HIMARS」は、非常に正確にターゲットに命中させることが可能とされているが、兵器を扱うためには訓練も必要で、ウクライナ軍の訓練には1~2週間かかると見られている。
イギリスはMLRSを供与する予定
実はウクライナ側がアメリカに要望していたのは、HIMARSおよびM270多連装ロケットシステム(MLRS)とされている。
しかしMLRSの場合は、ロシア領内に届くことから、バイデン大統領はこのロケットシステムの供与をしないと記者会見で述べていた。ただホワイトハウスはその後修正し、この武器については「供与を検討しいている」と述べている。
一方、イギリスのボリス・ジョンソン首相は、自国内にあるアメリカ製M270多連装ロケットシステム(MLRS)の供与についてバイデン大統領と話したという。
実はイギリスが持つ、アメリカ製のM270多連装ロケットシステムをウクライナへ供与するには、輸出規制があるため、アメリカ側が承認しなければならない。
そこでイギリス政府は、ロケットシステムをウクライナに送る計画に署名するようアメリカに要請したそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Moscow warns US over rocket shipments to Kyiv; Ukraine losing up to 100 soldiers a day – live(6/1)