一時的に地球に第2の「月」ができる可能性が浮上
最近発見された小惑星が、一時的に地球の衛星になる可能性が浮上している。
57日間かけて地球を周る可能性
その小惑星とは、「2024 PT5」だ。アメリカ天文学協会の報告によれば、この小惑星は長さがわずか33フィート(約10m)しかなく、現在地球に接近しているという。
そして地球の重力に捕らえられ、9月29日から11月25日(57日間)にかけて地球を周り、やがて重力から解き放たれ、再び宇宙に飛び立つと計算されているそうだ。
つまりこの小惑星は、一時的ではあるものの、地球の衛星になる可能性があると考えられている。
地球を周回する「ミニムーン」
そもそも小惑星が地球に接近した場合、通過する以外はたいてい、地球に落下し、火球として空に明るい筋を残したり、隕石として地表に衝突したりするという。
しかし、ごく稀に、小惑星が地球の重力に捕らえられ、その周りを公転することがあるそうだ。
そして地球の重力から逃れることができず、しばらく地球を周回することになる小惑星は、「ミニムーン」と呼ばれるという。
しかし非常に小さく、スピードが速いため、見つけて正確に識別するのは困難と言われている。
しかも時には、そのような物体が人工物に間違われることもあり、以前は欧州宇宙機関の宇宙望遠鏡「ガイア」や、ロケットの残骸なども、小惑星に間違われたそうだ。
「ミニムーン」と認められない可能性も
ただ今回の「2024 PT5」は、8月7日に小惑星地球衝突最終警報システム (ATLAS)によって発見されており、「自然物であることに、疑いの余地はない」という。
しかし衛星として認められるためには、地球を少なくとも1周しなければならないため、「2024 PT5」の場合、「ミニムーン」としてカウントされない可能性もあるそうだ。(了)
出典元:New York Times:A New Mini-Moon Is Being Captured by Planet Earth(9/12)