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石器時代に到来した彗星が、8万年ぶりに地球に最接近

石器時代に到来した彗星が、8万年ぶりに地球に最接近
X_Fazil Mohamed

ネアンデルタール人が生きていた時代に現れた彗星が、長い年月を経て、再び地球に最接近するという。

 

約8万年ごとに太陽を周回

 

その彗星とは「C/2023 A3(紫金山・アトラス彗星)」だ。これは昨年、中国の紫金山天文台と、南アフリカ共和国にある小惑星地球衝突最終警報システム(アトラス)の天文学者により、それぞれ発見されたという。

 

この彗星は、非常に細長い軌道を描いて、約8万年ごとに太陽の周りを周回していると考えられている。

 

そして「C/2023 A3」は、先月太陽に最接近したが、10月13日頃には、石器時代以来、地球に最接近するそうだ。すでにSNSの「X」では、撮影された写真が、多く投稿されている。

 

10月9日の前後が観測しやすい

 

グリニッジ王立天文台のグレゴリー・ブラウン博士によれば、この彗星は太陽系の外側、海王星の軌道の外側にある「オールトの雲」と呼ばれる天体群から発生したと考えられているという。

 

またブラウン博士は、彗星の見え方について、次のように指摘している。

 

「彗星は、地球に近づくほど明るくなりますが、太陽に近づくほど明るくなります。したがって、地球への最接近が最も明るい時期になるとは限りません」

 

このため10月9日が、地球から最も観測しやすいと考えられているが、実はその日は彗星が地球と太陽のちょうど間にあるため、実際には9日前後の数日間が、観測に適していると考えられるそうだ。

 

しかもこの彗星は、過去数十年間に観測されたものの中で、最も明るいと考えられ、双眼鏡や小型の天体望遠鏡でも見える可能性があるという。

 

特に北半球や南半球の人々には観察できる機会があり、現時点では日の出前の早朝、東の方角、10月13日以降なら、日没前の西の方角で観測できる可能性があるそうだ。(了)

 

出典元:The Guardian:Comet last seen in stone age to make closest approach to Earth(10/1)

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