石器時代に到来した彗星が、8万年ぶりに地球に最接近
ネアンデルタール人が生きていた時代に現れた彗星が、長い年月を経て、再び地球に最接近するという。
約8万年ごとに太陽を周回
その彗星とは「C/2023 A3(紫金山・アトラス彗星)」だ。これは昨年、中国の紫金山天文台と、南アフリカ共和国にある小惑星地球衝突最終警報システム(アトラス)の天文学者により、それぞれ発見されたという。
この彗星は、非常に細長い軌道を描いて、約8万年ごとに太陽の周りを周回していると考えられている。
そして「C/2023 A3」は、先月太陽に最接近したが、10月13日頃には、石器時代以来、地球に最接近するそうだ。すでにSNSの「X」では、撮影された写真が、多く投稿されている。
横浜ベイブリッジと紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
ベイブリッジばかり目立っているので中央部分を少し拡大してみてください。
また、そらし目で見ると尾が長くなります 笑
2024-10-02 04:48JST#紫金山・アトラス彗星 #彗星 #横浜 #みなとみらい pic.twitter.com/ucXZVKZJ3f— toccicat (@toccicat) October 2, 2024
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3) 呉羽山@富山市 昨朝よりも透明度が良く朝焼けもきれい 出現して10分後、色づき空のカット。
#紫金山・アトラス彗星#剱岳 pic.twitter.com/ETzFNuKikX— 風明舎 (@3003wind) October 2, 2024
10月9日の前後が観測しやすい
グリニッジ王立天文台のグレゴリー・ブラウン博士によれば、この彗星は太陽系の外側、海王星の軌道の外側にある「オールトの雲」と呼ばれる天体群から発生したと考えられているという。
またブラウン博士は、彗星の見え方について、次のように指摘している。
「彗星は、地球に近づくほど明るくなりますが、太陽に近づくほど明るくなります。したがって、地球への最接近が最も明るい時期になるとは限りません」
このため10月9日が、地球から最も観測しやすいと考えられているが、実はその日は彗星が地球と太陽のちょうど間にあるため、実際には9日前後の数日間が、観測に適していると考えられるそうだ。
しかもこの彗星は、過去数十年間に観測されたものの中で、最も明るいと考えられ、双眼鏡や小型の天体望遠鏡でも見える可能性があるという。
特に北半球や南半球の人々には観察できる機会があり、現時点では日の出前の早朝、東の方角、10月13日以降なら、日没前の西の方角で観測できる可能性があるそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Comet last seen in stone age to make closest approach to Earth(10/1)