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超音速航空機「X-59」が初めてテスト飛行を実施、システムを点検

超音速航空機「X-59」が初めてテスト飛行を実施、システムを点検
X_Lockheed Martin

NASAとロッキード・マーティン社が開発を進めている超音速航空機が、先日アメリカでテスト飛行を実施した。

 

テスト飛行では超音速を出さず

 

その超音速航空機とは「X-59」だ。これは先端が鋭い形をしており、ソニックブームの轟音を和らげるよう設計されているという。

 

そして10月28日、「X-59」はカリフォルニア州で、初めてテスト飛行を実施した。

 

テストでは「X-59」が、カリフォルニア州パームデールにあるロッキード・マーティン社の施設から離陸し、同じくカリフォルニア州エドワーズにあるNASAの「アームストロング飛行研究センター」に着陸したそうだ。

 

この時の飛行時間は約1時間、最高時速386kmに達し、高度約3658mを飛行したが、超音速には達しておらず、重要なシステムの点検に重点を置いたという。

 

先端の形が衝撃波を抑える

 

ロッキード・マーティン社の仕様によれば、「X-59」の最高速度はマッハ1.4(時速1489km)で、ボーイング747のほぼ2倍の速度を出せるという。

 

また高度1万6764mを飛行できるよう設計されており、この機体の翼幅は9.1m、高さは4.3m、全長は30.5mで、カジキの形によく似ている。

 

横から見ると、この機体の長い先端は尖っているように見えるが、実際は「のみ」のような形をしているそうだ。

 

この先端の形は、超音速飛行によって発生する衝撃波の形を変えるように設計されており、これによって、現在使用されている超音速ジェット機よりもはるかに静かになるという。

 

複数の小さな衝撃波に分割

 

超音速ジェット機は、ソニックブームが大きいため、アメリカでは現在、人口密集地域の上空での飛行が禁止されている。

 

1964年にオクラホマシティ上空で行われた6カ月間のテストでは、超音速航空機が地面に接近しすぎると、窓ガラスが割れたり、建物に軽微な損傷が生じたりしたそうだ。

 

またテストに参加した調査対象者の4人に1人以上が、ソニックブームに耐えることはできないと回答したという。

 

しかし「X-59」ではソニックブームの影響を軽減するために、通常の衝撃波を複数の小さな衝撃波に分割し、車のドアをバタンと閉めるのとほぼ同じ音量の「ドスン」という音しか発生させないそうだ。(了)

 

出典元:Livescience:NASA’s ultraquiet supersonic ‘flying swordfish’ makes history with first test flight(11/9)

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