クラスの備品を購入するため路上に立ち、道行く人に寄付を募る先生が話題に
アメリカのオクラホマ州で、小学校の先生が人々に寄付を募っている姿が目撃され、話題となっている。
教師が路上に立ち寄付を募る
その先生とはTulsaという町にあるGrimes小学校で、3年生を教えているTeresa Danksさん(50)。
彼女は先週、交通量の多いハイウェイの交差点のそばに立ち、「教師は学校の備品を必要としています。どんな支援でも」という看板を掲げ、寄付を募り始めたという。
するとさまざまな人から支援が贈られ、やがてその姿が注目されて、多くのメディアにも取り上げられることに。
Doing whatever it takes to get our kids what they need.
予算削減で多くの先生が自費で賄う
実はオクラホマ州では近年、生徒1人あたりの教育費の予算を削減した結果、教科書が不足したり、クラスをまとめて大人数にしたり、地区によっては授業を週に4日に減らしたりしてきたという。
また多くの先生が、授業で生徒たちが使う道具や備品などを自費で賄っており、これはオクラホマ州だけの問題ではないとされている。
Tulsaの公立学校の教育長であるDeborah Gist氏は取材に対し「不幸なことにこの国で、教師自身がクラスに数百ドル、数千ドルかけるのは当たり前になっています」と語り、自身もテキサス州で教師をしていた時に、ペットショップやウェイトレスをしてお金を工面してきたと語っている。
実際、Danksさんも年収3万5000ドル(約390万円)のうち、毎年2000ドル(約22万円)から3000ドル(約34万円)を費やし、図工や理科の授業で使うビーズやパイプクリーナー、文房具、発泡スチロール、ペーパータオルなどを購入してきたとしている。
DanksさんはTimeの取材に対し次のように語っている。
「もはや私たちは、切り詰めることができないところまで来ています。ペーパータオルやトイレットペーパーのロールなどは、一見取るに足らないものに思えるかもしれませんが、これらは必要なものなのです。太陽系の勉強をする時でも、小さなロケットになったりするのです。多くの子供たちはこの田舎の街から出ていくことはありません。だから教師は彼らに世界について伝えようとしているのです」
資金を募るページで目標達成
このような現状を訴えるためDanksさんは路上に立ち、またフェイスブックでも寄付を呼びかけ自身の写真を掲載。さらにGofundmeに資金援助を募るページを作り上げたという。
そして掲載してから約1週間、今週の月曜日には目標金額2000ドルを大きく上回る、3500ドルの支援が寄せられることに。
さらにDanksさんは今後も、アメリカ中の先生たちにも資金を提供できるよう、寄付を募り続けていくとしている。
胸を打たれるエピソードも
目標を達成したDanksさんだが、実は道路脇で寄付を募っていた時に思わず胸を打たれるエピソードがあったと語っている。
それは若い女性が近づいてきて、わずかばかりのお金を寄付してくれた時だという。
その女性はDanksさんに対し「私が生きているのは、あなたのような先生のおかげなんです」と言って、去って行ったそうだ。(了)
出典元:Time:‘We’re Begging for Education.’ Meet the Teacher Who Panhandled to Buy Her Class School Supplies(7/25)