イスラエル軍がガザ市の別の地区にも新たな避難命令、市内への攻撃が激化
イスラエル軍は7月8日、ガザ地区北部のガザ市にある複数の地区の住民に対し、新たな避難命令を出した。
避難命令が出された地域を攻撃
イスラエル軍は7月7日にガザ市のトゥファ地区、ダラジ地区、旧市街地区に住むパレスチナ人に、避難命令を出した。
しかし8日にも新たな命令を出し、サブラ地区、レマル地区、タル・アル・ハワ地区に住むパレスチナ人に避難するよう呼び掛けた。
その後、イスラエル軍はサブラ地区へ砲撃を開始。この攻撃で少なくとも2人のパレスチナ人が死亡、多数が負傷したという。
また8日の夜明けからイスラエル軍は、ガザ市西部のタル・アル・ハワ地区にある大学や産業地区付近の住宅を襲撃。建物が集中砲火を浴び、中に多くのパレスチナ人が取り残されたそうだ。
さらにガザ市西部のレマル地区にある商業施設の最上階にも、イスラエル軍が爆撃を行ったという。
ガザ市にあるアル・アフリ・アラブ病院でも、避難命令が出された後、イスラエル軍のミサイル2発が着弾した。
UNRWAの本部を再び襲撃
イスラエル軍は8日、ガザ市にある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の本部に対し、軍事作戦を開始すると明らかにした。
イスラエル軍は、この本部には「ハマス」の兵器や装備が残され、人質などを拘留するための部屋があると主張している。
ただイスラエル軍は以前も、このUNRWAの本部を襲撃しており、その際地下のトンネルを破壊したと述べていた。
南部のラファへも攻撃し4人が死亡
イスラエル軍は8日、ガザ地区南部のラファへも攻撃を加え、タル・アス・スルタン地区の交差点付近に集まっていたパレスチナ人を殺害した。
この攻撃により少なくとも4人のパレスチナ人が死亡し、多くが負傷したという。
ガザ地区の保健当局は8日、過去24時間で40人のパレスチナ人が殺害され、75人が負傷したと発表。昨年10月以来、死者数は3万8193人に上り、そのうち1万5983人以上の子供と、1万637人の女性が殺害されたという。
ネタニヤフ首相が停戦交渉を妨害か
一方、停戦交渉について、「ハマス」側は柔軟性を見せ、「恒久的停戦」という条件を取り下げる構えを見せている。
イスラエル側は、以前から「恒久的停戦」の要求を拒否してきたが、今回「ハマス」側が譲歩する姿勢を示した。
これに対し、イスラエル側も交渉団を派遣したが、イスラエルのネタニヤフ首相は8日、「目的が達成されるまで、戦闘継続が認められなければならない」と強調。それが許されない場合、いかなる合意にも応じないと述べた。
しかしこのような首相の姿勢に対しては、イスラエル国内からも、「ネタニヤフ首相は、合意を避けるために、あらゆる手段を講じている」や「ガザ停戦交渉を妨害しようとしている」といった非難の声が上がっているという。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Displaced Palestinians ‘terrified’(7/8)