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マイクロソフト社が、海外に住むパレスチナ人のアカウントなどを勝手に停止

マイクロソフト社が、海外に住むパレスチナ人のアカウントなどを勝手に停止
flickr_Mike Mozar

海外に住むパレスチナ人が、マイクロソフトによりメールアカウントなどを停止されたと訴えている。

 

銀行口座にもアクセスできず

 

サウジアラビアに住むパレスチナ人のエイアド・ハメットさんによれば、マイクロソフト社は、彼らが20年近く使ってきたメールアカウントを、警告もなしに停止したという。

 

そのメールアカウントは、ハメットさんの仕事にも関係しており、銀行口座や求人情報にもアクセスできなくなったそうだ。

 

またガザ地区に住む家族と連絡を取り合うために使っていた、「スカイプ」も遮断され、大きな打撃を被っているという。

 

マイクロソフト側は、彼らが利用規約に違反したと主張しているが、ハメットさんらはこれに異議を唱えている。

 

アカウント停止の理由について回答せず

 

イスラエル軍がガザ地区への侵攻を始めて以来、インターネットは頻繁に中断または切断されているという。

 

また標準的な国際電話は非常に高額なため、海外に住むパレスチナ人の多くは、ガザ地区に安く電話できる「スカイプ」の有料会員になっているそうだ。

 

そして今回の遮断について、「ハマス」と関係があると誤って疑われているのではないか、との憶測も流れているが、ハメットさんはそのようなつながりはないと否定。「私たちは政治的な背景を持たない民間人で、ただ家族の様子を確かめたかっただけです」と語っている。

 

マイクロソフト側は、「ハマス」との繋がりを疑われていることが、アカウント閉鎖の理由かとの質問に対し、回答をしていない。

 

ただ通話地域や通話先に基づいて通話をブロックしたり、ユーザーを禁止したりはしていないとし、詐欺的行為が疑われた場合、ブロックされることがあると述べている。

 

料金を払っているのに停止

 

アメリカ在住のパレスチナ人のサラー・エルサディ氏も、4月に自分のマイクロソフトのアカウントが停止され、15年使ってきたホットメールにリンクされている、すべてのサービスから締め出されたと主張している。

 

しかもマイクロソフト側からは「規約に違反している」と告げられたが、心当たりもないため、約50回も問い合わせフォームに記入し、何度も連絡をとろうとしたという。

 

別のパレスチナ人、ハリド・オバイド氏も、マイクロソフトに有料会員の料金を支払ったにもかかわらず、ガザ地区に連絡をしているとの理由だけで、アカウントを閉鎖されたという。

 

このようなアカウントの閉鎖については、さまざまなSNSでも問題視されており、企業が公平性を欠き、独自の判断で閉鎖し、一切対応もしないことについて、法律で取り締まるべきとの声が以前から上がっている。

 

しかし日本でも法律が全く追いついておらず、料金を支払った人も、泣き寝入りせざるを得ない状況が続いている。(了)

 

出典元:BBC:Palestinians say Microsoft unfairly closing their accounts(7/11)

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