イスラエル軍がガザ地区北部に激しい空爆、栄養失調の患者数も32%増加

イスラエル軍は5月14日にも、主にガザ地区北部を攻撃し、数多くのパレスチナ人が殺害された。
サッカーをしていた子供たちも犠牲に
イスラエル軍は14日、北部のガザ市にあるal-Nahda難民キャンプを空爆。集まっていたテントが爆撃を受け、多くのパレスチナ人が死亡し、負傷したという。
しかも犠牲者の中には、サッカーをしていた子供たちも含まれていたそうだ。
まだこの空爆による詳しい被害状況は明らかになっていないが、50人のパレスチナ人が殺害されたとの情報もある。
ガザ地区の保健当局は、この50人も含め、14日の夜明けからガザ地区全域で、少なくとも84名が死亡したと発表している。
さらにイスラエル軍は、ガザ地区北部のアル・シファ病院や、ガザ市の複数の地域に強制退避命令を発令。今後、大規模な攻撃を加えると警告した。
また5月13日には、ガザ地区南部のハンユニスにあるヨーロッパ・ガザ病院がイスラエル軍により激しい空爆を受けたが、その瞬間の恐ろしい映像もSNSに投稿されている。
كاميرا مراقبة ترصد لحظة سقوط الصواريخ على ساحة مستشفى غزة “الأوروبي”#الجزيرة #فيديو pic.twitter.com/N8j6lQft0x
— الجزيرة فلسطين (@AJA_Palestine) May 14, 2025
トランプ氏が湾岸協力会議で発言
アメリカのトランプ大統領は14日、サウジアラビアで行われた湾岸協力会議(GCC)の首脳会合で、ガザ地区について言及。「この地域(アラブ湾岸諸国)の多くの人々が、パレスチナの人々の安全と尊厳ある未来を願っている」と述べた。
またトランプ氏は、湾岸諸国に対し、「この悲惨な紛争を終わらせるために、アメリカ人の人質の解放を支援するなど、建設的な役割を果たしてきたことを深く感謝する」と述べ、彼らと共に停戦協議を進展させたい考えを強調したという。
その後、トランプ氏はカタールのドーハへ到着したが、そこには中東担当特使のスティーブ・ウィトコフ氏もおり、彼はカタールの政府関係者やイスラエル人の人質の家族と会談したという。
その後、ウィトコフ氏は記者団に対し、ガザ紛争に関する協議について、人道支援物資の輸送や停戦など、あらゆる面で大きな進展が見られたとの考えを示した。
栄養失調の患者数が増加
アメリカ政府は現在、新たな財団を設立し、独自にガザ地区へ支援物資を搬入させようとしているが、「国境なき医師団(MSF)」は、次のように述べて、この計画を批判した。
「(これは)ガザ地区における、パレスチナ人に対する進行中の民族浄化作戦の新たな手段だ。MSFは、援助の提供をさらに制限し、イスラエル軍の占領目的に従属させる、いかなる計画も断固として拒否し、非難する」
また北部ガザ市で活動する「MSF」のチームは、過去2週間で栄養失調の患者数が32%増加したとし、滅菌湿布や滅菌手袋などの必須医療用品も不足していると主張。
その上で「ガザ地区はパレスチナ人にとって、地上の地獄と化している」と述べたという。
イタリア・ドイツの首相も人道危機を強調
このような状況が続く中、イタリアのメローニ首相は14日、イスラエルのネタニヤフ首相が国際法を尊重する必要があると批判。次のように述べた。
「ここ数カ月、ネタニヤフ首相と何度か会談したが、その多くは困難な内容だった。私は常に、敵対行為を終結させ、国際法と国際人道法を尊重する方法を早急に見つけるよう求めてきた。ガザ地区における人道的状況がますます深刻化し、正当化しがたい状況にあることを鑑み、本日改めて要請する」
ドイツのメルツ首相も先週、各国に対し、ガザ地区における「飢餓」の回避に向けた行動を呼びかけ、次のように述べた。
「これは全ての関係者の人道的義務であり、私は全ての関係者に対し、この地域における飢饉を可能な限り早期に回避させることを強調する」(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel forces displacement at Gaza schools, Al-Shifa Hospital(5/14)