「ハマスは出ていけ!」ガザ地区北部で数百人のパレスチナ人が抗議活動に参加

ガザ地区北部では、反「ハマス」の抗議デモが起き、数多くのパレスチナ人が参加した。
「戦争を止めろ」「平和に暮らしたい」
その抗議活動は3月25日に、ガザ地区北部の町、ベイト・ラヒヤで起き、数百人が参加したという。
デモ参加者は「ハマスは出て行け」や「ハマスのテロリスト」と叫び、また「戦争を止めろ」や「平和に暮らしたい」などのスローガンが書かれた横断幕も掲げられたそうだ。
またガザ市西部のジャバリア難民キャンプでも、数十人がタイヤを燃やし、紛争の終結を訴えたという。しかしその後、「ハマス」の治安当局が、デモ参加者を解散させる様子も見られたそうだ。
Hundreds of Palestinians have gathered in northern Gaza to demand an end to Israel’s escalating deadly attacks. Protesters carried signs and chanted slogans as they marched down the streets of Beit Lahiya. pic.twitter.com/4H9P60wFn3
— Al Jazeera English (@AJEnglish) March 26, 2025
これまでで最大規模の抗議デモ
デモに参加者した男性は、メディアに対して「私は、国民を代表して『戦争はもうたくさんだ』というメッセージを送るために参加した」と述べたという。
また活動家の「マジディ」と名乗る人物は、「もし、ハマスがガザ地区で権力を放棄することが解決策なら、なぜハマスは権力を放棄して国民を守らないのか」と訴えた。
ガザ地区では2023年の10月7日以来、「ハマス」に対する小規模なデモが起きていたが、今回の抗議活動はこれまでで最大規模だと考えられている。
またデモは3月26日にも行われており、ガザ地区の住民が紛争で疲れ果てているため、今後も、他の地域で「ハマス」に対する抗議活動が広がる可能性もあるという。
抗議デモを組織した人物は不明
もっとも、この抗議活動を誰が組織したのかは明らかになっていない。ただデモ参加への呼びかけの1つが、SNSの「テレグラム」で行われていたと言われている。
またガザ地区では2019年にも、経済政策を巡る抗議活動「Bidna N’eesh(私たちは生きたい)」が起きたが、当時「ハマス」側は、このデモをライバルの「ファタハ」が仕組んだとして、暴力的に鎮圧したという。
一方、イスラエル側も、2007年以来ガザ地区で権力を握っている「ハマス」に対抗するよう、ガザ地区の人々に定期的に呼びかけているそうだ。
しかし同時にイスラエルは、3月2日から「ハマス」にイスラエル人の人質の解放を強制しようとし、ガザ地区への人道支援物資の搬入を阻止しており、以来、人道状況が再び悪化している。
イスラエル軍の空爆も続く
また3月26日には、イスラエル軍がガザ地区中部のヌセイラト難民キャンプを空爆。慈善団体が提供する温かい食事を求めていた人々が犠牲になった。
犠牲者を受け入れたアルアウダ病院によると、この攻撃で女性とその成人の娘を含む、少なくとも5人が死亡したという。
ガザ地区中部でもイスラエル軍の空爆が2回に分けて行われ、少なくとも9人のパレスチナ人が亡くなった。(了)
出典元:The Guardian:Hundreds join protest against Hamas in northern Gaza(3/25)
出典元:The Guardian:Netanyahu repeats threat to seize territory in Gaza as anti-Hamas protests continue(3/26)