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ホワイトハウス、トランプ氏にノーベル平和賞を授与しなかったことを非難

ホワイトハウス、トランプ氏にノーベル平和賞を授与しなかったことを非難
X_The Nobel Prize

アメリカのホワイトハウスは、トランプ大統領にノーベル平和賞を授与しなかったとし、ノーベル委員会を非難した。

 

「平和よりも政治を優先」

 

ノルウェーのノーベル委員会は10月10日、今年のノーベル平和賞を、ベネズエラの野党政治家、マリア・コリーナ・マチャド氏が受賞したと発表した。

 

その後、トランプ大統領の側近で、ホワイトハウスの広報部長であるSteven Cheung氏は、次のようにSNSに投稿した。

 

「トランプ氏は、今後も和平協定を締結し、戦争を終結させ、人命を救い続けるだろう。彼は人道主義者の心を持ち、彼のように意志の力だけで山を動かせる人物は二度と現れないだろう。ノーベル委員会は平和よりも政治を優先していることを証明した」

 

またトランプ大統領の特使であるRichard Grenell氏も不満を表明し、「ノーベル賞は何年も前に死んだ」とSNSに投稿。トランプ大統領の義理の娘であるララ・トランプ氏も、FOXニュースに対し、次のように述べた。

 

「(トランプ氏は)今この地球上に生きている誰よりも、ノーベル賞に値します。しかし、ノーベル平和賞の受賞者を決める人たちが、ドナルド・トランプを憎んでいることは分かっています。彼らは『トランプ狂乱症候群』にかかっているのです。私たちは、彼がノーベル平和賞を受賞するだろうと心の中で信じています。そして、将来受賞することを願っています」

 

受賞のために露骨な働きかけ

 

実はトランプ陣営は、公然とノーベル平和賞獲得に向けたキャンペーンを展開しており、外交官や元交渉担当者によると、このことがガザ地区での停戦合意のタイムラインに影響を与えたという。

 

またトランプ大統領はノルウェーの高官にも働きかけ、トランプ氏の支持者もテレビに出演し、ガザ地区におけるトランプ大統領の功績を称え、ノーベル委員会に対して賞を授与するよう強く求めていたそうだ。

 

イギリスのシンクタンク「チャタム・ハウス」のクリストファー・サバティーニ氏は、「トランプ氏は、この平和賞を得るために恥知らずなロビー活動を行い、世界平和への貢献を誇張することさえありました」と指摘している。

 

また興味深いことに、ロシアのプーチン大統領も、トランプ氏がノーベル平和賞を逃したことについて問われ、「彼(トランプ氏)は何年、何十年も続く複雑な危機の解決に、本当に多くのことをしている」と称賛したという。

 

しかし今回、ノーベル委員会は平和賞の発表の際、次のように述べた。

 

「権威主義者が権力を掌握した時、立ち上がり、抵抗する勇敢な自由の擁護者を認めることが極めて重要だ。民主主義は、沈黙を拒み、重大なリスクを冒して敢えて前進し、自由は決して当然のことと見なすべきではなく、常に言葉と勇気と決意をもって守らなければならないことを、私たちに思い出させてくれる人々にかかっている」(了)

 

出典元:The Guardian:White House slams Trump’s perceived Nobel peace prize snub as ‘politics over peace’(10/10)

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