なぜイスラエルは、ソマリランドを国家承認したのか?

イスラエルは先日、アフリカにある分離派勢力のソマリランドを国家承認し、多くの国々から非難を浴びている。
トルコやサウジアラビア、中国も批判
イスラエルは12月26日、ソマリランドがソマリアからの独立を宣言してから30年以上経つとし、世界で初めて共和国として国家承認した。
ソマリランドの代表はこの動きを歓迎したが、ソマリアはイスラエルの行動を自国の主権に対する侵害として激しく非難したという。
またトルコやサウジアラビア、アフリカ連合など、数十の国や組織もイスラエルの国家承認を非難。中国政府も「いかなる国も自国の利己的な利益のために、他国の分離独立勢力を奨励したり、支援したりすべきではない」と批判した。

1991年にソマリアからの独立を宣言
アデン湾沿岸に位置するソマリランドは、1991年にソマリアの軍事独裁者、シアド・バーレが打倒された後、独立を宣言。
この独立運動は、シアド・バーレ率いる軍が領土内で反乱軍のゲリラを追撃したことを受けて起き、その際、数万人が殺害され、多くの町が破壊されたという。
ソマリランドの住民の大部分はイサク族であり、ソマリアの他の地域とは異なる民族であると主張しており、現在約600万人が暮らし、比較的平和で安定しているそうだ。
また国際的には承認されていないが、ソマリランドは機能的な政治体制を保ち、政府機関や警察、そして独自の通貨を保有しているという。
イスラエルの目的とは?
問題となるのは、イスラエルがなぜ今、ソマリランドを独立国家として承認したのかという点だ。
これには様々な見方が出ており、専門家らによれば「イスラエルが多くの戦略的理由から、紅海地域に同盟国を必要としており、その中には将来のフーシ派(イエメン)に対する軍事作戦の可能性も含まれる」という。
また数カ月前には複数の報道機関により、イスラエルがガザ地区から強制退去させられたパレスチナ人の再定住の可能性について、ソマリランドと接触したと報じられた。
ソマリアとパレスチナ自治政府も共に、イスラエルによるソマリランドの国家承認は、パレスチナ人の強制移住計画と関連している可能性があると示唆している。(了)
出典元:BBC:Why Israel’s recognition of Somaliland as an independent state is controversial(12/29)


























