ロシアに占領された地域のウクライナの子供たち、ベラルーシに到着
ロシア軍に占領された地域にいたウクライナの子供たちが、ベラルーシに連れてこられた。
48人の子供たちが到着
ベラルーシに到着した子供たちは48人。彼らはウクライナのドネツク州やルハンスク州、ザポリージャ州から、3週間の休暇として、ベラルーシに連れてこられという。
子供たちの写真は9月19日に公開され、彼らがベラルーシの国旗を持ち、警察と機動隊に囲まれている様子が映っていた。
ベラルーシの国営通信社「ベルタ」は、子どもたちがベラルーシ当局に「感謝」していると報じている。
1万6226人の子供が連れ去られた可能性
2022年の2月にロシア軍がウクライナへ侵攻して以来、何千人もの子供たちが誘拐され、ロシア側に連れ去られた。
ウクライナ政府によると、1万6226人の子供たちがロシアに連れ去られ、そのうち1万513人の所在が確認されており、300人以上が帰国したという。
しかし行方不明となっている子供の数は、まだ多くいるのではないかと危惧する声もあるそうだ。
慈善団体によって実施された主張
これまでベラルーシの政府関係者は、ウクライナの子供たちの不法な連れ去りに関与しているという疑惑を否定してきたという。
今回もウクライナの子供の移送は、ルカシェンコ大統領が支援するベラルーシの慈善団体によって組織されたと報じられている。
慈善団体の責任者であるアレクセイ・タライ氏は、国営通信社「ベルタ」対し、次のように語った。
「大統領は、外圧にもかかわらず、この重要な人道的プロジェクトを続けるべきだと言いました。すべてのベラルーシ国民が、ロシアに占領された領土の荒廃した都市や町にいる子供たちを助けたいと望んでいます」
ベラルーシによる強制連行の資料を提出
ただベラルーシの野党関係者は今年の6月、国際刑事裁判所(ICC)に対し、ロシアに占領された少なくとも15の都市から、2100人以上のウクライナの子供たちが、ルカシェンコ大統領の承認を得て、ベラルーシに強制連行されたことを示す資料を提出したという。
ベラルーシの元文化大臣であるパヴェル・ラトゥーシカ氏は、この資料によりICCが、ルカシェンコ大統領に逮捕状を発行することを期待しており、次のように述べている。
「私たちは、ウクライナの子供たちのベラルーシへの不法移送に関連する証拠を目にする機会が増えており、この連れ去りは、国際機関が反応してベラルーシ政府に止めさせるまで続くでしょう」(了)
出典元:The Guardian:Children arrive in Belarus after being illegally removed from Ukraine(9/19)