ビーチにいた70人が「人間の鎖」を作り、沖へ流された人々を救出
波にさらわれた家族を救助しようと、ビーチにいた人々が「人間の鎖」を作り助け出したとして話題となっている。
数人から始まり、次第に多くの人々が参加
その出来事が起きたのは先週の土曜日、場所はアメリカのフロリダ州にあるPanama City Beachとされている。
時間は夕方の6時30分頃。海を監視していたライフガードは既に仕事を終え、その場にはいなかったという。
しかしビーチにいた人々は、砂浜から離れた海面で数人が手を振って助けを求めている姿を発見。すると皆がすぐに行動を起こし始めたそうだ。
その様子を目撃していたRosalind BecktonさんはCNNの取材に対し「私は人々のグループ(が動くの)を見ました。最初は数人しかいませんでした。でもその後、だんだん増えていって、『人間の鎖』を形作り始めたのです」と語っている。
無論、それに参加したのは互いに名前も知らない人ばかり。しかし皆が手をつなぎ、「人間の鎖」はやがて流された人々の所まで伸びていったという。
子供を救いに行った大人も流される
沖の方へ流された1人、Roberta Ursreyさんはその日、家族と一緒にビーチを訪れていたが、8歳と11歳になる2人の息子がブギーボードの上で、泣き叫んでいるのに気づいたそうだ。
そのためRobertaさんとその家族、叔父や祖母までもが泳いで子供たちのいる場所へ到達。しかし早い潮の流れに圧倒され、たどり着いた時には自力で浜へ引き返すことができなかったとか。
その結果、2人の子供を含む合計9人が、その場で身動きがとれなくなってしまう。
ビーチでその様子を見守っていたBecktonさんによれば、その時付近にサメがいると思われたため、海から体を出して早く浜へ戻るよう叫んだという。
しかし当時、波も激しく非常に強烈だったため、9人は次第に遠くへと流されていったそうだ。
70人から80人が「人間の鎖」に加わる
その頃、ビーチにはすでに警察と救急車が到着。警官の1人が海へ飛び込み、流された人々のもとへ泳いでいこうとしたが、波が激しく引き返してきたとされている。
結局、警察は手配したボートが到着するのを待ち続け、ビーチにいた人々も様子を見守ることしかできなかった。
その時、Derek Simmonsさん(26)とその妻であるJessica Simmonsさん(29)の5人グループは、自分たちの力で彼らを救おうと決心。手をつないで「人間の鎖」を作り始めたという。
しかも彼らの行動に対し多くの人が素早く反応、瞬く間に70人から80人が加わり(ABC Newsでは約40人)、「人間の鎖」を家族がいる約64m先の沖へと伸ばしていったそうだ。
そして「鎖」が流された人々の元へ届くと、皆が引っ張り、またサーフィンに乗っていた人々の助けも借り、全員無事にビーチへと引き戻すことに成功する。
「人間の鎖」に加わったJessica Simmonsさんは取材に対し「全てが終わった時には、皆の間から拍手と歓声が沸き起こりました。自分たちが成し遂げたことがうれしかったのです」と語っている。(了)
出典元:CNN:Beachgoers form a human chain to save a family trapped in a rip current(7/11)
出展元:ABC News:Good Samaritans form human chain to rescue swimmers caught in rip current off Florida coast(7/12)