ウクライナに亡命した元ロシア軍のパイロット、スペインで殺害される
ウクライナ側の説得により、ロシア軍を裏切った元ヘリコプターのパイロットが、スペインで殺されているのが発見された。
12発の銃弾を受けて死亡
そのロシア軍の元パイロットとは、マクシム・クズミノフ氏だ。
2月19日に、スペインとロシアのメディアが報じた内容によれば、彼は地中海沿岸の都市、Alicanteにある町、Villajoyosaに引っ越した後に、死んでいるのが発見されたという。
クズミノフ氏の遺体は、2月13日にアパートの下にある駐車場のスロープで発見されており、12発の銃弾を受けていたと言われている。
スペイン警察は当初、この銃撃はギャングによるものと考えていたが、その後クズミノフ氏の経歴や、ウクライナ侵攻でのいきさつを知ることになったそうだ。
ウクライナの情報機関が説得
クズミノフ氏は昨年8月、ロシアの2つの空軍基地の間を飛行中、最前線を越えたという。
当時、彼は戦闘機「SU-27」と「Su-30」の部品を輸送することになっていたが、やがて操縦していた双発ヘリコプター「Mi-8 AMTSh」をウクライナの領土に着陸させたそうだ。
また、どういう経緯かは不明だが、一緒に乗っていた2人の同僚のパイロットは殺されたという。
その後、ウクライナ情報総局(GUR)の諜報員が、クズミノフ氏にロシアを裏切るよう説得。やがて彼の家族がロシアを脱出した後、クズミノフ氏はウクライナ側に亡命したそうだ。
クズミノフ氏はスペインに移住することを決め、元恋人を自分の家に呼び寄せたが、その間に殺害されたという。
ウクライナ情報総局もクズミノフ氏の死を確認しているが、誰が殺害したのかに関しては、コメントをしていない。(了)
出典元:The Guardian:Russian pilot who defected found dead in Spain, says Ukraine security agency(2/19)