米司法省の職員が、首都の連邦捜査官にサンドイッチを投げつけ、逃走【動画】

アメリカのトランプ大統領は8月11日、ワシントンD.C.の治安対策を強化するため、州兵を派遣し、首都警察を連邦政府の指揮下に置くと明らかにした。
「ファシスト!」「俺の街に来るな」
そして当日には州兵800人、FBIや連邦保安官局、アルコール・タバコ・火器取締局(ATF)、国土安全保障省(DHS)、シークレットサービスなどの連邦捜査官が派遣されたそうだ。
連邦捜査官らは町を練り歩き、犯罪の取り締まりを行い、これまでに少なくとも100人を逮捕したという。
しかしこの警察国家のようなやり方は、地元住民から怒りを買っており、司法省刑事部に勤務していたショーン・チャールズ・ダン容疑者も、連邦職員に詰め寄ったという。
撮影された動画の中でダン容疑者は、税関国境警備局(CBP)の職員に対し、「ファシスト!」と罵倒し、「なぜここにいるんだ?俺の街に来るな」と叫んだという。
そしてダン容疑者は職員に対し、ファーストフード店「サブウェイ」のサンドイッチを投げつけ逃走し、国境警備局の職員に追われた。その時の様子がこちら。
AG Bondi says a DOJ employee has been fired after he was arrested for allegedly throwing a sandwich at a federal officer in Washington, D.C.
Following his arrest, the man allegedly told one of the arresting officers: “I did it. I threw a sandwich.” https://t.co/y6TULwe8XB pic.twitter.com/KaGoKaGa9V
— The Washington Post (@washingtonpost) August 14, 2025
暴行罪で起訴され、司法省も解雇
ダン容疑者はその後、追跡を振り切ったようだが、8月13日には逮捕され、捜査官に対して「自分がサンドイッチを投げつけた」と自白したという。
この異例なエピソードは話題となり、ネットでも面白がるようなコメントが多く寄せられたそうだ。
しかしその後の展開は、決して笑えるものではなくなっていった。地元の裁判所はダン容疑者の起訴を却下したが、連邦裁判所は暴行罪による重罪で起訴を認めたという。
さらにダン容疑者は司法省からも解雇され、現在保釈中だが、重罪犯として最長8年の刑に直面しているそうだ。(最新の情報では、起訴が取り消されたとも報じられている)
トランプ氏は、連邦捜査官の派遣が、ワシントンD.C.での犯罪の取り締まりや、麻薬中毒者・ホームレスを排除するためだと主張しているが、地元警察のデータでは暴力犯罪が30年ぶりの低水準にあるという。
すでにホームレスのキャンプは撤去され、ワシントンD.C.の住民の多くは、トランプ大統領が州兵を派遣したのは、エプスタイン・ファイルから注意を逸らすためだと疑っているそうだ。(了)
出典元:BBC:Man arrested after sandwich thrown at federal agent in Washington DC(8/14)