インドネシアのセメル山が噴火、見えてきた被害の状況とは?
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先日、インドネシアの火山が噴火し、溶岩も流出したが、少しずつ被害の状況が明らかになってきた。
豪雨が溶岩ドームを侵食
その火山とは、東ジャワ州ルマジャン地区にある、標高3676メートルのセメル山だ。
この山は12月4日に噴火し、上空1500メートルまで噴煙を吐き出し、村や近隣の町は降灰で覆われ、陽射しが遮られたという。
また豪雨により、頂上にある溶岩ドームが浸食され、ついに崩壊。水蒸気のガスと溶岩が、近くの川に向かって斜面を雪崩のように流れ落ちていったそうだ。
これにより灼熱のガスが村全体を覆いつくし、昨年再建されたばかりの橋も破壊された。
[UPDATE] Pada pukul 12.00 WIB, Gunung Semeru naik status menjadi Level IV (Awas), dari sebelumnya Level III (Siaga).
Dihimbau utk tidak beraktivitas dalam radius 8 km dari puncak, dan sektoral arah tenggara (Besuk Kobokai dan Kali Lanang) sejauh 19 km dari puncak.#KLHK pic.twitter.com/9tLp0HbVUw
— Kementerian LHK (@KementerianLHK) December 4, 2022
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家やモスクが屋根まで埋まる
しかしその後、天候が回復し、救助隊が活動を再開。犠牲者の捜索を行うことができるようになったという。
最も被害の大きかったSumberwuluh村とSupiturang村では、12月5日に数百人の救助隊が投入されたが、火山性の瓦礫により、家やモスクが屋根まで埋まっていたそうだ。
しかし現時点で、まだ死傷者は確認されていない。
pemukiman warga sudah terpendam abu vulkanik semeru, aksesnya juga sudah tertimbun total, stay safe everyone. pic.twitter.com/mt0VhVMUSD
— osé (@rosedatives) December 4, 2022
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実はセメル山は昨年の12月にも大噴火を起こしており、泥の層に埋もれた村で51人が死亡。他にも数百人が大やけどを負い、この噴火で1万人以上が避難を余儀なくされたという。
その後、インドネシア政府は、Sumberwuluh村を含む約2970戸を、危険地帯から移動させたそうだ。
今回の噴火においても、村人たちは山が唸り始めてから、犠牲者を出さないようにと、自ら避難。2000人近くが複数の学校の緊急避難所に集まったという。
インドネシア当局は、危険区域を火口から8キロメートルまで拡大し、さらに火山への警戒を最高レベルに引き上げたそうだ。(了)
出典元:ABC News:Indonesia’s Mt. Semeru eruption buries homes, damages bridge(12/5)