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グレート・バリア・リーフで再び、サンゴの大規模な白化現象が発生

グレート・バリア・リーフで再び、サンゴの大規模な白化現象が発生
X_Australian Marine Conservation

オーストラリアにあるグレート・バリア・リーフのサンゴが、再び大規模な白化現象に見舞われた。

 

夏に海水温が上昇した影響

 

オーストラリア北東海岸から2300km以上にわたって広がるグレート・バリア・リーフは、世界最大のサンゴ系であり、最も生物多様性の高い生息地の1つとされている。

 

しかし今年の夏に海水温が上昇した後、320のサンゴ礁を上空から調査したところ、ほとんどの場所で白化が進行していることが判明したという。

 

グレート・バリア・リーフ海洋公園管理局は、被害の深刻さを判断するための水中検査が、現在進行中であると述べている。

 

8年間で5回も白化現象

 

そもそもサンゴは褐中藻と呼ばれる植物と共生しており、褐中藻はサンゴからミネラルを、サンゴは褐中藻から栄養分を分けてもらっている。

 

しかし海水の温度が上昇し、熱ストレスが加わると、サンゴは褐中藻を放出。これによりサンゴは白くなり(白化現象)、その状態が続けば褐中藻からの栄養も得られなくなり、死んでしまう。

 

ユネスコの世界遺産に登録されているグレート・バリア・リーフで、サンゴの大規模な白化現象が確認されたのは、2016年までに2回。しかしその後の8年間では、白化現象が起きたのは、5回目となる。

 

このため科学者らは、サンゴ礁が生き残るためには緊急の気候変動対策が必要だと主張している。「グリーンピース・オーストラリア」のデビッド・リッター氏も、次のように語っている。

 

「このような大規模な白化現象が起きている頻度と規模は、恐ろしいものです。オーストラリア政府が毎年何十億ドルもの石炭・ガス産業の拡大と補助金を出し続けていることを考えると、政府がグレート・バリア・リーフの健全性を深刻に考慮しているという主張は空虚に聞こえます」

 

南部は20年近くで最悪

 

グレート・バリア・リーフ海洋公園管理局の主任科学者であるロジャー・ビーデン氏はBBCに対し、南部地帯の白化現象はここ20年近くで最悪であり、「前例のない」事態になる可能性があると語っている。

 

ただしビーデン氏は、環境が涼しくなれば、白化したものの多くが回復するとの見方を示している。

 

グレート・バリア・リーフのサンゴ礁は過去10年間、他の大規模な白化現象や深刻な熱帯低気圧、オニヒトデの大量発生による被害から、自らを再建してきたという。(了)

 

出典元:BBC:Great Barrier Reef: New mass bleaching event hits World Heritage site(3/8)

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