イラク議会に、9歳から少女が結婚できるようにする法案を提出
イラクの議会に先週、少女の結婚を許可する法案が提出され、第1読会を通過したという。(読会とは法案審議の手続きのこと)
「児童レイプを合法化する」
そもそもイラクでは、サウジアラビアとは異なり、結婚など人生の重要な選択を女性が行う際、夫や父親、または男性保護者の許可を必要とする「男性後見制度」はないという。
しかし今回提出された改正法案では、宗教当局に結婚、離婚、子供の養育を含む家族問題に関する決定権を与えようとしているそうだ。
そして特に問題となっているのは、9歳から少女の結婚を認める点だ。この法案に反対するイラクの国会議員や女性の権利活動家は、「児童レイプを合法化するものだ」と非難している。
イラク各地で抗議活動
イラクでは1950年代から18歳未満の結婚が禁止されているが、国連児童基金(ユニセフ)の調査によると、イラクの少女の28%が18歳になる前に結婚していたという。
また2021年以来、イラクの政治体制は、イランと連携する派閥の政治家たちに支配されており、宗教的祝日を採用する法律や、同性愛者やトランスジェンダーを犯罪とする法律など、イスラム法(シャリア法)に則った法案をいくつか可決しているそうだ。
しかし今回、審議された法案は、イラク全土で激しい抗議の声を引き起こしており、先週には首都のバグダッドや他の都市でも、抗議活動が行われたという。
イラク議会の女性議員25人のグループも、法案の可決を阻止しようとしているが、強い反対にも直面している。
実際、法案の支持者らは、「男性が未成年者と結婚することの何が悪いのか」と主張し、法案に反対する人々を、「西側の価値観に従っている」や「道徳的退廃」だと批判しているという。(了)
出典元:The Guardian:Draft Iraqi law allowing 9-year-olds to marry would ‘legalise child rape’, say activists(8/9)