ガザ地区での即時停戦を求める国連安保理の決議案、米が拒否権を行使
11月20日、国連の安全保障理事会が開かれ、ガザ地区での即時停戦を含めた決議が行われたが、アメリカが拒否権を行使し、否決された。
日本など10カ国が提出した決議案
安保理では、日本を含む非常任理事国10カ国が、ガザ地区での即時かつ無条件での恒久的な停戦と、人質全員の解放を求める決議案を提出。
また決議案には、停戦とともに、ガザ地区への迅速かつ全面的な人道支援物資の搬入を求める内容などが盛り込まれていたという。
しかし採決では、中国やロシアが賛成したものの、アメリカが拒否権を行使し、否決された。
アメリカ国務省は「決議案では人質の解放を求めているが、人質の解放を即時の無条件停戦に直接結び付けていない」として拒否権行使を擁護した。
#BREAKING
United States VETOES Security Council draft resolution that would have demanded an immediate, unconditional and permanent ceasefire in Gaza, and the release of all hostagesRESULT
In Favor: 14
Against: 1 (US)
Abstain: 0 pic.twitter.com/BpUj5xhJHE— UN News (@UN_News_Centre) November 20, 2024
「アメリカは大量虐殺の直接のパートナー」
しかし他の理事国は、アメリカの拒否権行使を激しく非難。フランスのNicolas de Riviere国連大使も「この決議案は、人質の解放をしっかりと要求している」と反論した。
またパレスチナ国連代表部のMajed Bamya副大使も、イスラエルによるガザ地区への継続的な攻撃は、もはやイスラエル人の人質とは何の関係もなく進められていると主張。安全保障理事会に対し、「停戦は、包囲されたガザ地区の全ての命を救うはずだった」と語った。
「ハマス」も、安保理の決議にアメリカが拒否権を行使したことを受けて、声明を発表。アメリカが、ガザ地区における「大量虐殺戦争」の直接のパートナーであり、「民族浄化」の「直接の責任」を負っていると非難した。
ガザ地区全土で空爆
ガザ地区では11月20日も、イスラエル軍の激しい攻撃にさらされており、数多くのパレスチナ人の命が奪われた。
「安全地帯」と指定されたガザ地区南部の「アル・マワシ地区」でも、イスラエル軍の空爆により、1人の少女を含む、7人のパレスチナ人が殺害された。
ガザ地区北部のジャバリアでも、イスラエル軍による空爆で住宅が狙われ、12人が死亡、10人が行方不明となっている。またイスラエル軍の戦車による砲撃で、男性1人が死亡した。
北部ガザ市にあるレマル地区の住宅も空爆を受け、4人が死亡。ザイトゥーン地区でも、イスラエル軍による空爆で、住宅が被害を受け、2人が死亡したという。
またガザ市のSabra地区郊外では、救助活動中のパレスチナ民間防衛隊が、イスラエル軍の空爆にさらされ、隊員1人が死亡、3人が負傷したと報じられている。
ガザ地区中部でも、人々が避難している学校が空爆され、パレスチナ人3人が死亡、少なくとも20人が負傷した。
ガザ地区南部のラファでも、イスラエル軍による空爆が2回行われ、男性3人が死亡し、負傷者も出ているという。
レバノンの保健省も20日、南部の港湾都市、ティルスがイスラエル軍による空爆を受け、暫定的な死者数が9人、負傷者は65人であると発表した。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: US vetoes Gaza ceasefire resolution; Hezbollah set for ‘long war’(11/20)