「テスラ」の新車販売台数、欧州などで44%も大幅に減少

イーロン・マスク氏がCEOを務める「テスラ」の新車販売台数が、ヨーロッパで落ち込んでいる。
1、2月も販売台数が減少
調査プラットフォーム「Jato Dynamics」のデータによると、「テスラ」は2月、ヨーロッパ全体で1万6000台未満を販売したが、EUやイギリス、ノルウェー、スイスの25か国で平均44%減少したという。
今年の1月にも、欧州全体での新車販売台数が、2024年の1万8161台から9945台へと減り、45%も減少したそうだ。
その一方、イギリスの自動車工業会の報告によれば、2月に登録されたテスラの新車数がほぼ21%増加し、「モデル3」と「モデルY」が「ミニクーパー」に次いで2位と3位になったという。
政治的な発言だけが要因ではない?
マスク氏は政府効率化省を率い、これまでに数万人の連邦職員を解雇しており、アメリカ国内でも批判され、3月24日には、テキサス州オースティンにある「テスラ」の販売店で、爆発物が見つかった。
またマスク氏が、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢」を支持し、人種差別的・右翼的な発言を繰り返していることで、ヨーロッパでも「テスラ」の不買運動が起きている。
しかしアナリストは、この不安定な売上は「テスラ」の「モデルY」の全面改良の影響も受けている可能性が高いと指摘。「Jato Dynamics」のグローバルアナリスト、フェリペ・ムニョス氏は次のように述べている。
「テスラは大きな変化の時期を迎えています。イーロン・マスクの政治活動への積極的な関与やEV市場における競争の激化に加え、同ブランドは最新モデルを投入する前に、ベストセラーのモデルYの既存バージョンを段階的に廃止しています。ラインナップが比較的限られているテスラのようなブランドは、モデルチェンジを行う際に登録台数の減少に関しては、特に脆弱です」
ヨーロッパでは2月、「テスラ」のライバル会社がリードし、「フォルクスワーゲン」はバッテリー電気自動車の販売台数が180%増加して、2万台弱に到達。「BMW」と「ミニクーパー」も先月、バッテリー電気自動車を合わせて1万9000台を販売したという。
中国資本の「BYD」は、欧州での販売台数が94%増加して4000台を突破。「BYD」の昨年の世界売上高は1000億ドル(約15兆円)を超え、収益で「テスラ」を抜いて世界最大の電気自動車会社となった。(了)
出典元:The Guardian:Tesla’s Europe sales drop nearly 45% amid row over Musk’s Trump links(3/24)