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トランプ政権がハーバード大学に「多様性の廃止」を要求、助成金の凍結を示唆

トランプ政権がハーバード大学に「多様性の廃止」を要求、助成金の凍結を示唆
flickr_Owen Allen

アメリカのハーバード大学は、トランプ政権からの一連の要求を拒否しており、数十億ドル規模の連邦助成金が失われる可能性があるという。

 

「多様性・公平性・包摂性」の廃止を要求

 

トランプ政権は4月11日、ハーバード大学に対し、「多様性・公平性・包摂性」に関するプログラムを終了し、実力主義の入学選考を導入して、移民当局に協力するよう要求した。

 

さもなければ、連邦政府からの助成金、90億ドル(約1兆3000億円)を失うリスクがあると脅したという。

 

これに対し、ハーバード大学のアラン・ガーバー学長は4月14日に送った書簡の中で、トランプ政権が提示した一連の条件に同意したとしても、大学は「独立性を放棄したり、憲法上の権利を放棄したりすることはない」と述べたそうだ。

 

またガーバー学長は、大学が支援的な学習環境を創出するための改革に尽力していると主張し、反ユダヤ主義と闘うことも改めて表明。しかし、トランプ政権の要求は行き過ぎだと批判し、次のように述べたという。

 

「トランプ政権の指示は、連邦政府の権限を超えている。(略)これは知識の追求、生産、そして普及に専心する私立機関としての私たちの価値観を脅かすものです。どの政党が政権を握っているかに関わらず、いかなる政府も私立大学が何を教えるか、誰を入学させ、雇用できるか、そしてどのような研究分野や探究分野を追求できるかを指示すべきではありません」

 

他の大学にも助成金凍結で脅す

 

すでに4月11日には、ハーバード大学の教員を代表する2つの団体が連邦裁判所に訴えを起こしており、「政府の政治的または政策的嗜好のために、言論の自由と学術的探究を損なうことで、トランプ政権が権限を逸脱している」と主張。さらに次のように指摘した。

 

「トランプ政権が推進する政治的見解や政策方針をハーバード大学に公然と押し付け、好ましくない発言を罰することを、大学に義務付けようとしている」

 

すでにトランプ政権は3月、名門コロンビア大学に対しても、「反ユダヤ主義に対する嫌がらせ」への対応が不十分だとし、学内での抗議デモへの対応を強化するなど、規則や方針を変更するよう求めていた。

 

そして変更が行われない場合は、助成金を打ち切ると脅したため、コロンビア大学側はトランプ政権の要求を受け入れたという。

 

また教育省も、コーネル大学とノースウェスタン大学に対する調査を開始。公民権侵害に関する調査の一環として、コーネル大学への10億ドル(約1400億円)以上の助成金と、ノースウェスタン大学への7億9000万ドル(約1100億円)の助成金を凍結したそうだ。(了)

 

出典元:ABC News:Harvard University rejects Trump administration’s demands, risking billions in funding(4/15)

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