EUの防衛委員会、東部にドローンの防護壁を建設する計画で合意

ヨーロッパ連合(EU)の防衛委員会は、加盟国にロシア軍のドローンが侵入していることを受け、防護壁を建設する計画で合意した。
ドローン防護壁は優先事項
今月、デンマークやポーランド、ルーマニアでのドローン侵入が相次ぎ、またロシア軍の戦闘機がエストニアの領空を侵犯したことを受け、EUの防衛委員会において9月26日、この問題が議題に上がったという。
その後、委員会では、東部防衛の中核にドローン防護壁を建設する計画を進めることで合意したそうだ。
EUのAndrius Kubilius国防委員は、主に中央・東欧諸国10カ国とウクライナの閣僚との会合後、上空からの侵入を防ぐドローン防護壁は当面の優先事項であり、EUの東部防衛の中核要素であると述べたという。
また同氏は、レーダーや音響センサーを含む効果的な探知システム、そしてドローンを迎撃・破壊する能力の確保が急務だと指摘した。
EU各国の首脳は、来週開催される「コペンハーゲン首脳会議」でドローン用防空壁と賠償や融資について議論し、10月末までの合意を目指す予定となっている。
ウクライナへ1400億ユーロの融資計画
ウクライナへの融資については、欧州におけるロシアの凍結資産を基盤とした1400億ユーロ(約24兆円)の融資計画が勢いを増しているという。
そもそもEUはすでに、域内で凍結されたロシア資産からの「運用益」をウクライナへの融資として利用しているが、「元の資金」はそのまま残されているそうだ。
そして欧州委員会は、ロシア中央銀行の凍結された資産を担保として、資金を没収することなく、ウクライナに1400億ユーロの無利子融資ができると考えているという。
ただし無利子融資は、ウクライナに生じた甚大な被害に対する賠償金を、ロシアが最終的に支払うことが前提とされ、ロシアが全てを賠償した段階で、初めてウクライナに返済義務が生じるようになっている。
これまでドイツ政府は、ロシアの凍結資産を活用した軍事支援に慎重な姿勢を示してきたが、今回方針転換したという。(了)
出典元:The Guardian:EU to move forward with plans for drone wall amid Russian incursions(9/26)