イタリア、ロシアへの天然ガス依存から脱却するため、アンゴラとの協定に調印
イタリア政府は、ロシアへのエネルギー依存から脱却するため、アフリカのアンゴラとガス供給の協定に調印した。
アンゴラからのガスの供給量を増やす
イタリア外務省の発表によると、新しい天然ガス事業を開発し、アンゴラがイタリアへの輸出を増加させるという意思表明に調印したとし、次のように述べたという
「本日(4月20日)、我々はアンゴラとの間で、ガスの供給量を増やすための新たな重要な合意に達した。イタリアのエネルギー供給源を差別化(多様化)する取り組みが確認された」
イタリアはヨーロッパで最もガスを消費する国のひとつで、現在そのエネルギー消費量の42%を占めており、使用するガスの95%を輸入しているという。
「多様化は可能、短期間で実施可能」
これに先立ち、イタリアのマリオ・ドラギ首相は「イタリアのガスの約45%を供給しているロシアに代わる供給先として、アンゴラとコンゴ共和国のブラザヴィル県を候補に加えたいと考えている」と述べていた。
4月17日に発行された日刊紙『コリエレ・デラ・セラ』でのインタビューでも、ドラギ首相は次のように語っている。
「経済的な依存が政治的な従属になってはならないからだ。多様化は可能であり、比較的短期間で実施できる。ほんの1カ月前に想像していたよりも早い」
Parlare con il dittatore #Russo #VladimirPutin è una notevole perdita di tempo. Come europei, non dovremmo assolutamente impegnarci con lui. Una disgrazia 🇮🇹🇪🇺 #UkraineRussianWar 🇺🇦 pic.twitter.com/gEq3l0jLmN
— Mario Draghi 🇮🇹 🇪🇺 (@Draghi_Italy) April 19, 2022
今回のアンゴラとの協定は、自然エネルギーやバイオ燃料、LNG(液化天然ガス)、技術・環境に関するトレーニングの分野における、イタリアとアンゴラのパートナーシップに弾みをつける重要な協定だと言われている。
パイプラインをウクライナに迂回させる案
一方、ウクライナのエネルギー企業の関係者らは、ロシアの天然ガス輸送をパイプライン「ノルドストリーム1(ロシアからドイツにつながる海底天然ガスのパイプライン)」からウクライナのパイプラインに移行させ、ロシアとの対立においてウクライナの影響力を高めるよう、西側同盟国の説得に努めているという。
そうすれば、ロシアはヨーロッパ向けガスの多くをウクライナ経由で輸送することを余儀なくされ、その結果ロシア政府はウクライナにガスの通過料金をより多く支払うことになるそうだ。
現在、ウクライナのガスパイプライン運営会社とガス会社「ナフトガズ」の代表は、この1週間アメリカのワシントンD.C.でバイデン政権幹部や議会議員に会い、ドイツや他のヨーロッパの同盟国にこの計画を採用するよう説得してきたという。
また「ナフトガズ」の代表らは、ガスの輸送をウクライナ側へ迂回させることで、ロシアがウクライナのガスパイプラインに損害を与えることも抑止できると考えている。
彼らはこの提案がヨーロッパ側も協力できるものだとし、さらに働きかけを行う予定だという。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war latest: Ukraine offers unconditional talks on Mariupol as west warns of Russian cyber-attacks – live(4/20)