「パンデミックは終わった」とバイデン大統領、「嘘だ」と民主党内からも批判噴出
バイデン米大統領が、テレビのニュース番組で、新型コロナのパンデミック終焉宣言をしてしまった。このことに、米の識者だけでなく、民主党メンバーやその支持者たちまでが猛反発している。
「このパンデミックは終わった」
先週、アメリカで放送された著名ニュース番組「60 Minutes」の中で、インタビューを受けたバイデン大統領。インタビューアーから「パンデミックは終わったのでしょうか?」と訊かれ、「このパンデミックは終わった(The pandemic is over)」と力強く答えた。その後、このように続けた。
「我々はまだ新型コロナに関する問題を抱えてはいる、それについてやらなきゃいけないこともたくさんある。しかし、このパンデミックは終わった」
海外メディアによれば、アメリカ政府は新型コロナを「公衆衛生上の緊急事態」とした宣言を、未だ取り下げてはいない。WHO(世界保健機構)も新型コロナに関して、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したままだ。バイデン大統領が「終わった」と考える理由は、アメリカでマスクをする人を見かけないかららしい。番組中、大統領はこう話している。
「皆、気がついているかもしれないが、誰もマスクをしていない。それで誰もが健康みたいだ。だから状況は変わったと思う。マスクをしていないことが、それを示す完璧な事例だと思う」
SNSに湧き出した反発
バイデン大統領の「終わった」発言に多くの著名人や学者が反発しているようだ。海外メディアは、ツイッターに上がった具体例を紹介している。
政治ジャーナリストであり、ニュースショーのホストとしても有名なMedhi Hasan氏は、バイデンは国民に嘘をついている、と非難する。
人々がマスクをしない理由はいろいろだろうが、その1つは、バイデンのような人が嘘をついて、パンデミックは終わった、と言い続けているせいだ。——Mehdi Hasan @mehdirhasan
民主党左派のAttica Scott議員は、大統領を含む党の主流派が「私たちの命を賭けて、こんな(政治の)ゲームをやっている」「あなたが世界的パンデミック終焉を宣言することはできないですよ、ミスター大統領」とツイートした。
民主党の前州議会議員であるNina Turner氏は、「このパンデミックは終わっていません」と真っ向から反発、「我々はパンデミックの上にいるのであって、パンデミックは終わっていない」とツイート。
ハーバード大学のErif Feigl-Ding教授も大統領に大反対だ。
パンデミックが終わったなんてとんでもない。失礼ながら大統領、あなたは間違っている。毎週3000人近くのアメリカ人が、新型コロナで死んでいる。9/11での死者が毎週出ている(のと同じで)のは大問題だ。それに、コロナ後遺症のことまで言うとすれば、さらに何百万人もの大惨事と言える。——Eric Feigl-Ding @DrEricDing
(了)
出典元:New York Post:Biden told ‘60 Minutes’ COVID pandemic ‘is over,’ sparking liberal backlash(9/19)