植物と思われた化石が、実はウミガメだった!再調査で判明
過去に植物だと結論が下された化石が再調査され、全く別の生き物だったことが明らかにされた。
20世紀の半ば、コロンビアで発見
その化石は、20世紀の半ば、植物の化石に興味のある司祭グスタボ・ウエルタ神父によって、南米のコロンビアで発見されたという。
化石は2つあり、小さな楕円形をしており、1億3200万年から1億1300万年前の岩石の中から見つかったそうだ。
当初、これらは絶滅した植物で、現代の「つくし(スギナ)」と関係のある「スフェノフィルム(sphenophyllum)」の一種であると考えられていたという。
しかしこの化石の再調査が行われ、それがウミガメの化石であると研究者が主張している。
ウミガメの硬い甲羅
その再調査を行ったのは、コロンビアの首都、ボゴタにあるデル・ロサリオ大学などの研究者たちだ。
科学誌「Palaeontologia Electronica」において研究者たちは、長さ5cmと6cmの楕円形の化石が、実際にはウミガメの硬い甲羅であることを明らかにしたと述べている。
また、もともと葉の葉脈であると考えられていたものは、実際には骨の成長パターンであり、甲羅の中には神経骨と肋骨、それらの間に鋭い、のこぎり状の関節も見つかったという。デル・ロサリオ大学のエドウィン・カデナ教授も、次のように述べている。
「化石の再検査中に、私たちは葉の葉脈を見つけようとしました。しかし、私たちが観察したのは海綿状の骨組織の繊細な層であり、これらの化石が植物由来である可能性は除外されました」
このカメは生後1年未満と考えられ、恐らく「デスマトケリス・パディライ(Desmatochelys padillai)」と呼ばれる種と考えられるそうだ。
ただ研究チームは、最初の誤認にも敬意を表し、この化石に、半分がカメで半分が植物であるポケモンのキャラクターに因み「タートウィッグ」というあだ名を付けたという。(了)
出典元:The Guardian:Plant fossils turn out to be turtles in ‘unusual misidentification’(12/7)