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絶滅危惧種のゾウガメが90歳で出産、卵が孵化し、初めて母親になる

絶滅危惧種のゾウガメが90歳で出産、卵が孵化し、初めて母親になる
YouTube/Philadelphia Zoo

アメリカ・ペンシルベニア州の動物園で飼育されていたゾウガメのメスが、卵を産み、赤ん坊が誕生した。

 

昨年11月に16個の卵を出産

 

そのカメとは、フィラデルフィア動物園で飼育されている、西サンタクルス・ガラパゴスゾウガメの「マミー」だ。

 

実は「マミー」の正確な年齢は分かっていないが、90年以上も動物園で飼育されてきたという。

 

そして「マミー」は、2024年11月に16個の卵を出産。それが先日、孵化し、赤ちゃんが誕生した。フィラデルフィア動物園の社長兼CEOであるジョエル・モガーマン氏は、声明で次のように述べている。

 

「これはフィラデルフィア動物園の歴史において重要な節目であり、このニュースを私たちの街、地域、そして世界と共有できることをとても嬉しく思っています。このマミーは1932年に動物園にやってきたので、過去92年間に動物園を訪れた人は誰でも、おそらく彼女を見たことがあるでしょう」

 

100歳のオスと初めて交尾

 

動物園の声明によると、フィラデルフィア動物園の150年以上に渡る歴史の中で、西サンタクルス・ガラパゴスゾウガメを孵化させたのは今回が初めてだという。

 

また「マミー」は約100歳の「アブラッツォ」という名のオスと交尾を行い、今回初めて母親になったそうだ。

 

リクガメや他の爬虫類は通常、成長後も生涯にわたって繁殖能力を維持するため、老齢になっても出産を続けることができるという。

 

ほとんどのリクガメと同様に、ガラパゴスゾウガメの孵化時の性別は、卵を温める温度によって決まり、摂氏28度以下の温度ではオスが生まれ、摂氏29.5度以上だとメスが生まれるそうだ。

 

声明によると、飼育員は卵を採取し、人工孵化器に入れた後、卵の半分をオスの温度で、残り半分をメスの温度で孵化させたが、今のところメスの卵しか孵化していないという。

 

絶滅の危機に瀕しているゾウガメ

 

西サンタクルス・ガラパゴスゾウガメはガラパゴスゾウガメの亜種で、オスは通常メスよりも大きく、体長は約1.8m、体重は約260kgまで成長する。

 

しかし、ガラパゴス諸島における人間の活動により、ゾウガメのいくつかの種は絶滅し、サンタクルス島西部のガラパゴスゾウガメも絶滅の危機に瀕しているという。

 

「マミー」は、このカメの亜種を保護するためにアメリカの動物園に連れてこられ、現在も飼育繁殖プログラムに参加しているそうだ。

 

ガラパゴスゾウガメが、どれくらい生きられるかは明らかになっていない。ただサンディエゴ動物園によると、1匹が171歳まで生きた記録があるという。(了)

 

出典元:Livescience:‘Seemingly impossible’: Endangered tortoise becomes first-time mom at about 100 years old(4/4)

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