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火星で起きた日食、太陽の前を通過する衛星の映像を撮影:NASA

火星で起きた日食、太陽の前を通過する衛星の映像を撮影:NASA
NASA

火星で起きた日食をローバー(探査車)が撮影し、その映像をNASAが発表した。

 

火星の「月」とは?

 

そもそも火星には「Phobos」と「Deimos」と呼ばれる衛星があり、軌道上を周っているという。

 

「Phobos」は幅が26km、「Deimos」は10kmほど。月と比べるとかなり小さいが、それでも太陽の前を通り過ぎた時に一応「日食」になるそうだ。

 

そして火星探査ローバーの「キュリオシティ」は地球時間の3月17日に「Deimos」の映像を、3月26日に「Phobos」が太陽の前を通り過ぎる映像を撮影し、地球へ送信した。(すぐ下の動画が「Phobos」、その下が「Deimos」)

 

一時的に暗くなる様子もとらえる

 

実はキュリオシティに搭載されている「マスト・カメラ」には、「ソーラーフィルター」が備わっており、直接太陽を見ることができるという。

 

ただし「Phobos」も太陽を完全に覆うことはできず、「Deimos」に至っては非常に小さいため、「日食」というよりは単なる「通過」としか言えないとか。

 

しかし「キュリオシティ」に搭載された「ナビカム」は、3月25日に「Phobos」が太陽の前を通過し、その影が火星の表面に落とされた時、一時的に空が暗くなる様子を捉えていたそうだ。

 

よく分かっていなかった火星の月

 

もっとも火星のローバーが、「日食」を捉えたのはこれが初めてではない。

 

「スピリット」や「オポチュニティ」、「キュリオシティ」はこれまで「Deimos」の日食を8回観測しており、「Phobos」に関しては40回も観測してきたという。

 

しかし2004年に「スピリット」や「オポチュニティ」が火星に着陸する前までは、火星の月の軌道については、あまりよく分かっていなかったそうだ。

 

実際、最初に日食を観測した時、「Deimos」は予測された場所よりも25マイル(約40km)も離れた地点にいたと言われている。

 

Texas A&M大学のMark Lemmon氏は、次のように語っている。

 

「何度も繰り返し観測することで、それぞれの軌道の詳細を突き止めるのに役立ってきました。これらの軌道は火星や(隣の)木星の引力に応じて変化しています。また火星のそれぞれの月も、お互いに引き寄せ合っているのです」(了)

 

 

出典元:NASA:Curiosity Captured Two Solar Eclipses on Mars(4/4)

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