月に生きた生命体が存在している可能性!クマムシの生命力に期待
2019年夏、地球以外にも生命体がいる確率が非常に高くなった。生命体がいると考えられるのは「月」。そして生存が考えられる生命体が「クマムシ」だ。
クマムシと言えば、地球で最もタフな生命体だと知られているが、なぜ彼らが月に降り立つことになったのだろうか。
イスラエルが打ち上げた月面探査機
2019年2月、イスラエルの民間団体SpaceILは、民間初の月面探査機「ベレシート」を打ち上げた。
4月11日、残念ながらベレシートは149メートルもの高さから月面に墜落し、ミッションは失敗に終わった。
墜落のその日、ベレシートが地球に送っていた「SMALL COUNTRY, BIG DREAMS」と書かれた自らの姿がこちらだ。
墜落の翌日、SpaceILはInstagram上で「イスラエルの旗が月に降り立ったのは間違いない。ベレシートの旅はまだ終わっていない。我が国の次の世代が、やり遂げてくれるだろう」と前向きなコメントを投稿している。
ベレシートが載せていた意外な荷物
墜落から4ヵ月が経ち、ベレシートが載せていた意外な荷物に注目が集まっている。
それが体長1ミリほどの「クマムシ」。真空でも生きられ、南極の氷底湖でも灼熱の砂漠でも、熱湯でゆでられても、大量の放射線を浴びても生きられる、地球上でも最もタフな生命体だ。
このクマムシが、月への衝突にも耐え、生き抜いているのではないかと考えられている。とはいえ、月の上を歩き回っているというわけではなく、水分も乾燥した休眠状態でいるだろうとのこと。
数年後、月で眠りについているクマムシを、地球に持ち帰って水分を与えれば、再び動き始めるだろうと考えられている。
今この瞬間にも、眠れる森の美女のように、月でクマムシは迎えを待って眠り続けているのかもしれない。
クマムシを載せていた月面探査機のベレシートは、ヘブライ語で「創世記」という意味。月のクマムシが、人類の未来を大きく変える日がくるのだろうか。
出典元:The Guardian「Tardigrades may have survived spacecraft crashing on moon」(8/6)
出典元:Space.com「Israel’s Beresheet Spacecraft Crashes Into Moon During Landing Attempt」(4/11)
出典元:ナショナルジオグラフィック「「最強生物」クマムシ、衝撃のDNA構成が判明」(2015/12/2)