カエルに食べられても死なない!お尻から脱出し生きる昆虫を発見【動画】
日本の研究者が、カエルに食べられても消化されず、生き続ける昆虫を発見したとして注目を集めている。
消化管を通りお尻から脱出
その研究を行ったのは、神戸大学大学院農学研究科の杉浦真治准教授だ。
杉浦准教授は水田などに生息する「マメガムシ」が、カエルに食べられても死なず、消化管を通り、お尻から無事に脱出することを発見した。
この研究結果は8月4日に国際学術雑誌「Current Biology」に掲載された。
短時間で積極的に脱出する行動
発表された大学のリリースによれば、そもそも昆虫は他の動物に捕食されないために様々な逃避・防衛行動をとるが、これまでは主に捕食者との接触前の逃避行動が研究されてきたという。
しかし近年、捕食者に攻撃された後でも、その体内から生きて脱出する行動が発見されているそうだ。
このような行動には、捕食者の口から吐き出されることで脱出する場合と、捕食者の消化管を通して肛門やお尻の穴(総排出腔:未消化物、尿、卵、精子が排出される単一の穴)から生きて排出される場合とがある。
特に後者の場合は、排出されるまで消化管内で長時間耐える必要があることから、できるだけ短時間で積極的に脱出するような行動が有利だが、これまでそのような行動は知られていなかったという。
カエルの排便まで促している?
そして今回、実験室で様々な陸生・水生昆虫をカエル類に与えて、逃避・防衛行動を調査。その結果、甲虫の一種マメガムシが、トノサマガエルに飲み込まれても、90%以上の個体がカエルのお尻の穴から生きて脱出することを発見したそうだ。
さらに、その他のカエル4種(トウキョウダルマガエル、ツチガエル、ヌマガエル、ニホンアマガエル)に対しても同様の行動が見られたとか。
しかもマメガムシは意外な行動をしている可能性があるという。
そもそもトノサマガエルでは、他の餌を飲み込んでから未消化物を排出するまで平均50時間かかるが、マメガムシがお尻から生きて排出される場合は平均1.6時間しかかかっていなかったとか。
またカエル類のお尻の穴は、いつもは括約筋によって閉まっており非常に小さいマメガムシが自力でこじ開けるのは困難。このことからマメガムシがお尻の穴から脱出するために、カエルを内部から刺激して排便を促している可能性があるという。
このような排便を促して脱出する動物は、今まで知られていなかったそうだ。(了)
出典元:神戸大学:カエルに食べられてもお尻の穴から生きて脱出する昆虫を発見(8/4)