NASAが「ノキア」と契約、月面での通信ネットワークを構築へ
NASAは先日、月に携帯通信ネットワークを構築するにあたり、パートナーとしてフィンランドの通信機器大手の「ノキア」を指名した。
月面において初の通信ネットワーク
先週、NASAは月へのミッションを持続可能にする技術を開発する事業者として、14の企業や機関を選んだと発表した。
選ばれた企業等には、総額3億7000万ドル(約390億円)が予算として支給され、そのうち1410万ドル(約14億9000万円)が契約金として米国「ノキア」に与えられることになった。
これにより「ノキア」は、世界で最初に月面において携帯通信のネットワークを構築することになる。
さまざまなことが可能に
このネットワークは、コマンドおよび制御機能、月面ロボットのリモートナビゲーション、高解像度ビデオのストリーミングなど、データ送信のための通信を提供するという。
またこれにより、宇宙飛行士は音声や動画を通して通話することができ、ワイヤレスの通信機器を使い、生体認証データの交換も可能になるそうだ。
ただしこのようなネットワークを月に構築することは、地球で行われていることに比べると、はるかに難しい。
しかし「ノキア」は、その装置が打ち上げ時の困難な状況においても、特別に耐えられる設計になっており、大気のない宇宙空間でも機能し続けることになるだろうと語っている。
「4G」から「5G」にアップグレード
またそれまでに「ノキア」はシステムを「4G」から「5G」にアップグレードすることになるという。「ノキア」の最高技術責任者のMarcus Weldon氏は、次のように語っている。
「私たちは現在、最初となる月面での移動通信のネットワークを構築しています。信頼性が高く、回復力があり、大容量の通信ネットワークは、月面での持続可能な人間の存在をサポートするための鍵となります」
現在、NASAは2024年までに人類を再び月面に送り込む「アルテミス計画」を進めており、「ノキア」は2022年までにネットワークを構築する予定だという。ネットワーク機器は、米企業インテュイティブ・マシーンズが製造した「ホッパー」と呼ばれる機械を遠隔操作して月面に設置される。(了)
出典元:INDEPENDENT:NASA AND NOKIA TO BUILD INTERNET ON THE MOON(3/19)