中国警察、犯罪者捜索のため顔認識機能付きサングラスを導入
中国警察が、容疑者捜索のため顔認識機能の付いたサングラスを導入したとして、話題となっている。
1万人の犯罪記録と結びついたサングラス
中国警察によって導入された顔認識機能付きサングラスは、右手側の淵に小さなカメラが取り付けられており、それによって人の顔を認識することが可能だ。
またサングラスはスマートホンほどの大きさの小型の電子機器と接続されている。
この電子機器は約1万人分ほどにも及ぶ犯罪記録の詳細が保存された警察のデータベースと結びついたアプリケーションを有しており、サングラスを通して容疑者を見ると、その名前や出身、性別、住所などが即座に確認できるという。
アプリケーションでは容疑者が逃走中か否か、さらにはインターネットの閲覧履歴まで確認することが可能とのことだ。
地元警察のZhang Xiaolei氏がGlobal Timesの取材に語ったところによると、 「サングラスによって捕えられた画像は、指名手配された容疑者の情報と比較するため、データベースに送信される」という。
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— Israel Montalvo (@israelmoov) February 14, 2018
サングラスの効果で既に7人が逮捕
この顔認識機能対きサングラスは、人の移動が多くなる2月5日の春節(旧正月)を前に、規模の大きな駅で装着されていたという。
中国の駅で最大規模の一つである鄭州東駅では、このサングラスの利用により既に7人もの容疑者が誘拐とひき逃げの容疑で逮捕。
さらに26人もが偽造された身分証明書を保有していたとして拘束されたといい、既に効果を発揮しているようだ。
鄭州東駅、これより帰る。 pic.twitter.com/KHWtifAbbM
— 楊 錦(ヨウ キン) (@nishiki1897) September 11, 2017
監視社会に対し人権団体から非難も
一方、現在中国では全ての中国国民を3秒の間に識別可能なシステムの開発をも目指しているという。
しかしこのような行き過ぎた感のある顔認識システムの構築には、人権団体の側から非難の声も上がっている。
中国のヒューマン・ライツ・ウォッチのSophie Richardson氏は、「中国政府は人々を監視下に置くことによって“社会の安定”を得られると考えているようだが、このようなシステムは政府に対する敵愾心を深める可能性の方が高い」と指摘する。
「北京政府は即座にこのシステムを停止させ、合意なく得られた全てのデータを破壊するべきだ」
また中国では既に世界で最も多くの数の監視カメラが設置されており、その数は2020年までに6億に達するとも言われている。
犯罪捜査とプライバシーの侵害、いずれを重視するかは難しい問題だが、中国のような社会主義国で行き過ぎたシステムが構築されるのは空恐ろしい気がしてならない。(了)
出典元:Telegraph.co.uk:Chinese police using facial recognition glasses to identify suspects(2/7)
出典元:The Independent:Chinese police are using facial-recognition glasses to scan travelers(2/12)
出典元:Techly:Chinese police are using sunglasses with facial recognition to monitor citizens(2/8)