カナダの複数の報道機関、記事を人工知能の訓練に使われたとしてOpenAIを提訴
カナダの報道機関連合は、OpenAI社が自社のニュースを使用し、人工知能を訓練したとして提訴した。
「ChatGPT」のシステムを訓練
カナダのメディア「カナディアン・プレス」や「トルスター」、「グローブ・アンド・メール」、「ポストメディア」、「CBC/ラジオ・カナダ」などは11月29日、共同声明でOpenAI社を提訴したと明らかにした。
メディア側は共同声明で、OpenAI社がカナダのメディアからのコンテンツを大量に使用して、生成AIである「ChatGPT」のシステムを訓練してきた、と訴えた。
また「OpenAI社がコンテンツ所有者の許可を得たり、補償したりすることなく、コンテンツの使用から利益を得ている」と非難した。
「コンテンツは著作権で保護されている」
そもそもメディア側の主張によれば、OpenAI社の慣行はジャーナリズムに投資された数億ドルを損なうものであり、コンテンツは著作権で保護されているという。
その上で共同声明において「ニュースメディア企業は技術革新を歓迎する。しかし、すべての参加者は法律を遵守する必要があり、知的財産の使用は公正な条件でなければならない」と訴えたそうだ。
生成AIは簡単な命令や指示に基づいてテキストや画像、ビデオ、コンピューターコードを作成できるが、その前にシステムはまず膨大な量の既存コンテンツを学習する必要がある。
OpenAI社側は声明で、「同社のモデルは、公開データでトレーニングされている」と主張。またモデルは「クリエイターにとって公平で、革新をサポートする公正使用、及び関連する国際著作権の原則に基づいている」と述べている。
これはカナダで初めてのケースだが、アメリカでは「ニューヨークタイムズ」によるOpenAI社とマイクロソフト社に対する訴訟など、多数の裁判が進行中だという。
しかし一部の報道機関は、OpenAI社と争うのではなく協力することを選択しており、AIシステムのトレーニングに使用できるコンテンツを共有することで、報酬を得る契約を結んでいるそうだ。(了)
出典元:ABC News:Canadian news publishers sue OpenAI over alleged copyright infringement(11/30)