イスラエル軍がガザ地区において47人を殺害、UNRWAが支援を一時停止
イスラエル軍はガザ地区への攻撃を強めており、12月1日にも、数多くのパレスチナ人が殺害された。
「安全地帯」でもテントを空爆
イスラエル軍は1日、ガザ地区北部の町、ベイト・ラヒヤにある住宅を空爆。これにより、少なくとも10人のパレスチナ人が殺害された。
またガザ地区南部の「安全地帯」に指定されていたアル・マワシ地区でも、イスラエル軍が避難している人々のテントを空爆。幼い2人の子供が死亡し、母親と兄弟も負傷したという。
ガザ地区南部にあるShaboura難民キャンプも、イスラエル軍の攻撃を受け、少なくとも4人のパレスチナ人が死亡。北部のジャバリア難民キャンプへの空爆後には、多数の人々が瓦礫の下に閉じ込められているそうだ。
ガザ地区の保健当局は12月1日、過去24時間に少なくとも47人のパレスチナ人が死亡し、108人が負傷したと明らかにした。
また昨年10月以来、ガザ地区では合計4万4429人が死亡、10万5250人が負傷したと報告している。
支援物資の輸送を一時停止
ガザ地区全域では食料などが不足しているが、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は12月1日、安全上の懸念から、イスラエルとの国境にあるカレム・アブ・サレム検問所からの支援物資の輸送を一時停止していると明らかにした。
これは以前から、イスラエル軍の支援と保護を受けている武装集団が、援助物資の車列を攻撃しているからだ。
このことは多くの人々によって確認されており、今後さらにガザ地区での人道危機が悪化する恐れがある。
🚨We have taken the difficult decision to pause aid delivery through Kerem Shalom. It is the main crossing point for humanitarian aid into #Gaza, and the road out of it has not been safe for months.
On 16 November, a convoy of aid trucks was stolen by armed gangs. Yesterday, we… pic.twitter.com/yy3BrDg8UA
— UNRWA (@UNRWA) December 1, 2024
イスラエルの元国防相「民族浄化を行っている」
一方、イスラエル国内でも、ネタニヤフ政権がガザ地区で民族浄化を行っていると、非難の声が上がっている。
2013年から2016年までネタニヤフ政権で国防相を務めたMoshe Yaalon氏は、イスラエル公共放送「KAN」に対し、ネタニヤフ首相の極右内閣の強硬派が、ガザ地区で戦争犯罪と民族浄化を行ったと述べたという。
Yaalon氏はまた、ネタニヤフ政権がガザ地区北部からパレスチナ人を排除し、入植地を再建しようとしていると指摘。その上で、次のように語った。
「そこで何が起こっていて、何が我々から隠されているのか、私は警告せざるを得ない。結局のところ、そこで戦争犯罪が行われているのだ」
この発言について、ネタニヤフ首相が率いる政党「リクード」や、外務大臣からも非難の声が上がったという。
停戦中にレバノン南部を攻撃
一方、イスラエル軍は12月1日、ヨルダン川西岸地区の町、ジェニンにあるSeir村を襲撃。これにより4人のパレスチナ人が殺害された。
またヨルダン川西岸地区の各地では現在も、イスラエル人の入植者による襲撃が続けられている。
イスラエル軍は停戦中にも関わらず、12月1日にはレバノン南部を再び攻撃。停戦合意に違反したとして、「ヒズボラ」の戦闘員を排除したと明らかにした。
イスラエル軍はレバノン南部にある教会の近くで「武装したテロリスト数名」を特定したとし、そこから攻撃を受けたため、排除したと述べた。
またレバノンの国営通信社によれば先日、イスラエル軍の砲弾がレバノン南部国境の村キアムに数発発射され、そのうち1発が住宅に命中したという。
停戦の条件では、「ヒズボラ」の戦闘員がレバノン南部からリタニ川の北へ撤退し、イスラエル軍もレバノンから、イスラエル側へ撤退することになっている。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israeli attacks on Gaza kill at least 47 in last day(12/1)