「ガザ人道財団」の配給センターでイスラエル軍の戦車が砲撃、32人を殺害

ガザ地区にある配給センターで、食糧を求めるパレスチナ人に向け、イスラエル軍が攻撃を加え、数多くの人々が亡くなった。
2カ所の配給センターで攻撃
6月1日の朝、ガザ地区南部のラファにある「ガザ人道財団(GHF)」の配給センターには、食糧を受け取るために、数多くのパレスチナ人が待っていたという。
しかし彼らに向かって、イスラエル軍の戦車が砲撃。これにより31人の民間人が死亡し、200人以上が負傷した。
またガザ地区を南北に分ける「ネツァリム回廊」の南に設置された、「ガザ人道財団」の配給センターでも、イスラエル兵が発砲し、1人のパレスチナ人が殺害されたそうだ。
「死の罠と化している」
「ガザ人道財団」はイスラエルとアメリカの支援で設立されたが、国連などはこの団体が中立性を欠いていると非難。ガザ地区全土を制圧するという軍事目的を達成するために結成されたとし、協力を拒否している。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は6月1日、声明で「支援物資の配給は、死の罠と化している」と述べた。
イスラエル軍は、「部隊が配給所付近や配給所内にいる民間人への発砲を行っていない」と否定。「虚偽の報告が広まっている」と主張した。
しかしラファの配給センターにいたIbrahim Abu Saoudさんは、AP通信に対し、イスラエル軍が配給所に向かう人々に向けて発砲したと証言。
Saoudさんによれば、群衆はイスラエル軍から300m離れた場所にいたが、現場では多くの人々が銃撃され、若い男性も死亡し、結局助けられなかったという。
「アルジャジーラ」のHind Khoudary記者も、「パレスチナ人が子供たちのために、たった1回の食事を確保しようとして殺害されている」とし、次のように訴えた。
「だからこそパレスチナ人は、物議を醸す存在だと知りながらも、これらの配給所に足を運んでいるのです。配給所はアメリカとイスラエルの支援を受けていますが、パレスチナ人には他に選択肢がないのです」
「自由船団連合」の船が出港
一方、国際非営利団体の「自由船団連合(FFC)」は6月1日、ガザ地区へ支援物資を届けるため、船舶1隻がイタリアのシチリア島を出港したと発表した。
スウェーデンの環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさん、アイルランドの俳優リアム・カニンガム氏、パレスチナ系フランス人の欧州議会議員リマ・ハッサン氏を含む12人の乗組員は、6月1日に「Madleen」号に乗船し、出航したという。
前回、「自由船団連合」の船は、地中海でドローン攻撃を受けたため、ガザ地区へ物資を届けることができなかった。(了)
出典元:Aljazeera:Israel kills 32 Palestinians waiting for food at US-backed Gaza aid sites(6/1)
出典元:Aljazeera:Aid ship aiming to break Israel’s siege of Gaza sets sail from Italy(6/1)